後衛特化型ラケットDIOSの特集記事が
2021年ソフトテニスマガジン6月号(4月27日発売)に掲載!

男子ナショナルで
ミズノラケット使用率が急上昇!
選手に信頼される
モノづくりの秘密とは!?

■第2回 後衛編

今回は、それぞれのこだわりを感じさせられる後衛編。
かつてよりもオールラウンド力が求められるようになり、選手たちの意識はストローク以外のプレーも視野に。
そして、その自身のスタイルを実現させてくれるために、使用選手たちがこだわるものはどういう機能なのだろうか。
今回も開発担当者の大友隆行さんに最前線を教えてもらった。

取材◎福田達 写真◎松村真行

2018年7月、後衛向けDIOSの反発タイプRが発売された。後衛が求める機能の研究を重ね、多くの選手たちが必要としている機能を搭載した。さらに、2019年3月には、その反対のタイプ、DIOSのコントロールタイプのCが生まれた。相反する機能ではあるが、コントロール重視の選手が多いのも分かる。

「コントロールタイプは後衛の求める安定感を重視した設計です。安定させる面形状セミオーバルフェースで楕円球に近い形にして、中央のスイートエリアが広くなっています。シャフトはRタイプがグリップからシャフトの1本部分が長くそこから二股に分かれることでしなりを意識していますが、Cタイプはより安定感を重視するために、1本部分を短く2本部分を長くするようにしています。さらに、正面が薄めのシャフトで振り抜き感を高める設計になっています。同時に飛び性能を確保するために側面はやや厚めの形状にもしています」と話すのは開発担当者の大友隆行さん。
そして、Cタイプの一番の特徴は、バランスのポイントが手元に近くなっていること。後衛のラケットは基本的に先にバランスポイントを持っていき、それを利用して強いボールを打つ仕組みだが、一方、前衛のラケットは手元にバランスがあり、操作性を重視している。だから、後衛でありながら操作性を重視する点がミズノ社の独自設計になる。

「これは中高生など若い選手たちからのヒアリング、後衛でありながら軽くラケットを振り抜ける、振り回したいという声からのニーズで、スピードアップされた現代のテニスだから生まれたものです。そこで考えられるのは、重さ自体が軽い、重心位置が手元にあり軽い、この2種類の方法がありますが、Cタイプは後者を重視しました。振りやすくて、安定する点がRタイプとの明確な違いです」(大友さん)

後衛がチャンスで前に上がってプレーしたり、速いテンポのラリーが続いたりというのが現代のテニスだが、面を合わせて狙ったところに打てるようにするには操作性が重要になる。そして、それに対応するにはバランスが大きな要素になるので、そのバランスを手元に置いたのがCタイプだ。しかも、現在のスイングはコンパクトになる傾向があり、それには手元バランスの方が、軸が中心にあるので、スイングしやすいと感じるようだ。シングルスのような時間を奪われる試合でもそうだろう。


船水雄太

船水雄太

DIOS pro-C F special edition(4月発売)

「これまでよりも少しだけ先(5mm)のほうにバランスを持たせたのが新しいラケットです。コントロールカに加え、攻撃的なスピンで試合を支配したかったので、わがままを言って、いろいろなパターンを試打させてもらいました。これまでボレーはしやすかったですが、ストロークに少し力強さがなく、打ち負けることがありました。それを5mほどバランス移動させることで、強度が出ました。今シングルスもそうですが、後衛もオールラウンドな能力が求められます。その意味でも、自分にとって頼もしいラケットになりました」

増田健人

増田健人

DIOS 50-R

「元々1本シャフトを使っていましたが、代表などのハードコートでボレーなども要求されるなかで、1本シャフトでは遅れてしまう。そこで2本シャフトにしてみました。元々ラケットは柔らかく、しなる感じが好きでしたが、これは2本シャフトでもしなる柔らかさがあると思います。テニスの試合自体、すべてにスピードが求められてきたので、重さも他の選手ほどではないとしても軽くなっています」


さらに、2020年3月にはDIOSの特化したモデル、Pro-Xが発売された。強いボールを打ち、同時にコントロールもできるという上級者向けだ。

「(上級者)が求めている速く攻撃的なプレーのなかで、いかに安定して狙ったところにブレないか。速い展開では、ラケットのいろいろな部分に当たることが多いですが、スイートエリアを拡大することで、速いボールにも対応できます。
具体的には攻撃型のティアドロップフェースを採用しているので、上が広く、DIOSのシリーズの特徴である、縦ストリングの長さは長くして、真っすぐ速い球を打ち込めることを求めました。そのために、フレームの頭とヨークをへこませているのですが、同時に横にもへこませることで、より広くスイートスポットを作っています。R、Cタイプと遮いへこんでいる部分が横にもあるのです。
そして、シャフトはCで正面厚を細くしましたが、Pro-XのシャフトはRより太くして、ブレない、頑丈な面を出しました。横からはしなりを感じさせて、正面は厚くして安定感を出すという設計です」

大友さんはソフトテニスのトップ選手たちの実際の戦う場面を見て、ヒントにする。さらには硬式テニスやバドミントンのラケット開発も手掛けているので、違う競技の良い部分を取り入れてみるなど、柔軟な考え方が根底にある。
「ラケット自体の重さは違いますが、軽くなる傾向やスピードアップしているのは共通しているので、機能として可能なのかどうか試してみる価値はあります」進化する競技と追いかける技術者。水面下ではすごい戦いがあるのだ。

安藤優作

安藤優作

DIOS pro-X

「ヘッドを遅らせて、ギリギリまで呼び込んで思いきり振れるのが希望でした。同時に、飛びすぎるとまとまらないというか、コートに入らないのではという不安要素になるので、そこも重視しました。つまり、自分のプレースタイルに必要な要素を伝えて、それを実現していただいたのがpro-Xです。加えて、こだわりたかったのは打感です。打ったときの振動がガツンと手に残るのが好きで、それが安心感になります。正直、手が痛いときもありますが、感触が手に残ってくれるので、どのように打てているのか分かって良いです」