レーシングドライバーの仕事とは

現在スーパーGTのレーシングドライバーとして活躍している横溝直輝さん。レーシングドライバーという仕事とその生活に欠かせないランニングとの関係について話を聞いた。
「実は移動が仕事みたいなものなんです。海外も多いので、移動で時間も体力も消耗するんですよね。今はアジアでレースがものすごく盛り上がっているので、アジア方面へ行ってレースすることが多いです。ヨーロッパ、中東も少し。月に2回くらいレースがあります。シーズン中は毎週のようにレースがあり、移動してはレースに出るのを繰り返します」。その合間にはメーカーのマシン開発にも携わる。そしてマシンが注目されがちだが、じつはさまざまなセクションの人たちとチームを組んでレースに臨むので、チームワークも大切な要素の一つ。「レーシングドライバーは命を預けているし、マシンもメカニックの人たちの技術や情熱によってネジの締め方一つからして違うので、同じパーツを使ってつくったとしても良くも悪くも全く別のマシンに仕上がるんです。そういう人たちのモチベーションをあげていくのも僕らレーシングドライバーの仕事なんです。やっぱり気持ちが入らないといいものがつくれないんです。メカニックの人たちは日本の匠みたいな人たちなので、心と心が通っていないとだめなんです」。

夢のレーシングドライバーになるまでの道のり

横溝さんがレーシングドライバーを目指したのは、小さい頃に観た御殿場の富士スピードウェイでのレース。「レースを見たときに一目でかっこいい! と。すごい爆音ですごいスピードを目の前で見て、車から降りるレーシングドライバーもかっこよくて、自分もなりたいと思ったのが始まりです。たまたま近所にレーシングカートできる場所があったんです。これは本当に運がよかったと思っています。どこにでもあるものじゃないので。小学校から剣道もやっていて全国大会にも出れるぐらいだったんですが、そのおかげで動体視力がよかったからそれも良かったのかもしれないです。集中力もついたし。ランニングや自転車にもよく乗ってましたね」。
高校生ぐらいの頃は自分でガソリンスタンドでアルバイトをしながらお金を貯めたり、借金もしながらレースに出ては賞金を稼ぎ返済するような生活をしていたという。そこで企業のスカラシップ制度を利用したりしてやっとスポンサーがついて、という流れだったそうだ。「でも遠征に行かなければならない時もあり、やはり応援してくれた両親には感謝しています」。

レースに必要なからだづくり

レースへの準備はどのようなことをするのだろう。「まずレーシングカーの中は夏場だと70℃、80℃というサウナ状態で。その中で重力が3G,4Gといって通常よりも3倍、4倍の重さになるんですね。単純にハンドルを切るだけでも大変な作業になります。ブレーキを踏むときは片足で150kgの力で踏まないといけないんです。で、それがレース中だと500回ぐらい踏まないといけない。およそ1時間半ほどのレースが終わると5kgぐらいは痩せています。貧血、脱水症状などできついんです。なので次のレースまでにいかにコンディションを回復できるか、ということがとても重要になります」。
主に冬のシーズンオフにしっかりトレーニングをして基礎体力をつけてフィジカルトレーニングを。時には海外などで短期合宿をすることもあるという。4月~11月のオンシーズン中はコンディショニングに注力しているという。「いかに回復させて次に自分の最大限の力が発揮できるかっていうことが大事です」。

ランニングタイムは勝利のイメージトレーニング

ジムよりは外で走るほうが好きという横溝さん。「ランニングは一つのスイッチの切り替えでもあるんです。海外に行ったときなんかは飛行機を降りたら30分くらいゆっくり走ったりします。時差ぼけや疲労の解消にもなりますし。あとはサーキットに着いたら、まずランニングでコースを走って景色や路面の状況を自分の目と足で感じながらイメージをつくっていったりもするんです」。そんな感じでスイッチをオンにする中で重要なのが、ポジティブなイメージを生成する時間でもあるということ。
「走っている時は次のレースでぶっちぎりで優勝することを考えながら走っているんです。大歓声の中、最終コーナー1位になって優勝する、みたいな。とにかくポジティブな夢みたいなことをイメージしながら走っています。それが子どもの頃からのストレス発散方法ですね。いいイメージを自分に植え付けてモチベーションを高めていく大切な時間になっています」。

絶対信頼できるのがミズノアイテム

「僕は小学生の頃からRUNBIRDを愛用していました。当時僕のアイドルだったアイルトン・セナもミズノのレーシングシューズを履いていたんです。そういうこともあって、世界を回るようになった今は、やっぱり“メイドインジャパン”を意識するようになってミズノブランドを愛用しています。シューズは日本人の足に合っていますよね。レーシングシューズはソールがすごく薄くて疲れるので、終わったらすぐにミズノのシューズに履き替えています」。横溝さんが履いているのはミズノ ウエーブライダー22「走っていると、ひざ下の前の部分が張る人が多いと思うのですが、ミズノのシューズはそれがないんです。おすすめしたいのは、ミズノさんで自分の足に適したシューズを選んでもらうこと」と話す。チームのワーキングシューズもミズノのワークシューズを使用している。

できるだけ永く走り続けるために

およそ15年現役選手として走り続けている横溝さん。「レースは自分ひとりで勝てるものじゃないので、あらゆる状況や条件によっても変わるし。今メインでやっているスーパーGTというレースは、レーシングドライバーが2人いるんです。最初の1時間と後の1時間でシェアします。“これは先輩の受け売りではありますが、チームメイトのミスは自分のミス”と考えられるようになってから二人で組んでもうまくいくようになりました。F1を目指していた若い頃は非常に自己中心的な考えのドライバーでした。しかし、年齢とともにそういうことも考えられるようになってきたのかなと思います」。
自分は「負けず嫌い」ではなく、「勝ち好き」という横溝さん。「やっぱり勝つと気持ちいいから。そして乗り物に乗ることが好きなんです。だから仕事なんだけど仕事というモードはないんです。モータースポーツはほかのスポーツに比べて選手の寿命は長いと思いますが。なるべく現役を続けたいですね。レーシングドライバーってあまり人数がいないので、こういう話もいろいろな人に伝えていきたいとも思います」。彼の走りはまだまだ進化していく。

WAVE RIDER 22

本体価格 ¥12,900+税

メンズ
ブルー×ホワイト×オレンジ 25.0cm – 28.0cm
※着用モデルそれ以外にメンズ、レディースそれぞれバリエーションがあります。
https://www.mizunoshop.net/f/dsg-660184

横溝 直輝

RACING DRIVER
横溝 直輝

1980年生まれ。9歳からレーシングカートを始め、カートの最高峰FSAクラスを経て18歳でフォーミュラの世界へ。フォーミュラトヨタシリーズでは年間最多勝記録でシリーズチャンピオンに。2005年からスーパーGTに参戦。スーパーGTチャンピオン、プランパンGTアジアの日本人初優勝など、アジア各地でチャンピオン獲得や日本人初優勝の記録をつくるなど海外での活躍もめざましい。