ストイックな競技選手時代

「昨日までハワイとベルリンのマラソン大会の取材に行っていたんですよ」と話す河原井司さんは、ランニング関連のスポーツシーンでカメラマン、ライターとして活躍している。実は自身も陸上競技選手として走っていた時期がある。中学時代は陸上部がなく野球部にいたという河原井さん。高校生になったときに陸上部に入部してから、大学卒業まで地元関西で7年間陸上競技をしていたという。高校時代はインターハイ準優勝までいき、スポーツ推薦で立命館大学入学。出雲駅伝などにも出場し、かなり本格的に走りに取り組んでいた河原井さん。「やっている時は上には上がいるので、それを超えたいとか、大会制覇の目標を達成するために夢中という感じでした。トレーニングもきついし故障もしたりで、自分の好きなようにはできないので、もちろんいい時もありましたがきつい時のほうがはるかに多かったですね」。

市民ランナーとの出会い

「大学卒業後は陸上とは全く関係のない会社に就職したんです。実業団からの誘いもありましたが、オリンピックを目指すほどのマインドもなかったので潔く大学までで引退することを選びました。就職を機に東京に来て一人暮らしも始まったのですが、運動もしないし食事も気にしないでいた不健康な生活でした。でもそれは学生時代に自由にできなかった反動もありましたね」。4,5年ほどはまったく走らない生活をしていたが、ある時から健康のためにジムに通い始めた河原井さん。そのジムにランニングサークルがあり参加しはじめたという。「初めて所謂“市民ランナー”の人たちに出会ったんです。今までは陸上競技選手として走っていたのですが、その人たちに出会って自分が“市民ランナー”のマインドで走るようになっていったんです。そうすると出る大会の種類も陸上大会でなく、マラソン大会だし。走り終わったらみんなで飲みにいったりして、楽しく走ることが目標という世界でまた走りに引き込まれていったんです。自分としてはまるで違うスポーツをしているような感覚でした」。

再び走り始め、仕事にも変化が

市民ランナーとして再び走り始めた河原井さん。会社に勤務しながらも、休みを利用して海外のマラソン大会に出ることもしていたという。「僕の兄が一眼レフのカメラを使っているのを見て買っていました。それを持って香港の大会に出たことがあるんです。バーティカルレースという、険しい山を行くレースだったのですが、その山の景色や緑が本当に綺麗で。でもそのとき走るのに邪魔なのでカメラもスマホも何も持っておらず写真を撮れなかったんですね。それが本当に悔しくて。その時の僕は走ることに対して速さではなく違うところからフォーカスしたいと思っていた時期だったこともあり、ただ走るのではなく、景色や走る人たちを記録したいと写真を撮り始めたんです」。会社員をこなしながらもカメラマン、ライターとしての仕事も少しずつ依頼されるようになり、今年の2月からフリーランスとして活動し始めた。

ただ走るだけでなく驚きを与えたい

新しいことや面白いことが大好き、と話す河原井さん。実は大きな寿司の被り物を被って走る仮装ランナーでもあった。「日本に三大仮装レースといわれているうちの一つに行ったんです。そうしたら8割くらいの人が仮装して走り、本格的な人はオーダーメイドで着ぐるみをつくっていてすごい世界だなあと。でも、優勝する人は速く走りたいから仮装していないんですね。そこで、仮装したうえで優勝したら、あいつ仮装しているのにめちゃくちゃ速い! となるのでは、と思い、仲間のすすめもあって寿司の被り物をオーダーしたんです」。そして仮装ランナーとしてさまざまな大会やイベントに出場し、人々を楽しませた。しかし、最近は仕事も忙しくトレーニングが思うようにできないため仮装を自粛しているという河原井さん。「やっぱり速く走れないと驚きを与えられないので、最近は仮装からカメラを持って走ることにシフトチェンジしています。写真を撮りながら走るって、前も後ろも見ながらポジション維持できないと撮れないんです。そうしながら撮影した写真のライブ感はやっぱり一味違うんです。その写真で驚きを提供できるのでは、とそこに可能性を感じています」。

はずれがないミズノシューズ

現在はそこまでストイックにトレーニングはしていないという河原井さん。ただ、走りながらの仕事もあるためランニングシューズなどは常に必要なアイテムだ。今、河原井さんが履いているのは、ミズノ ウエーブライダー22。軽いジョギングから長距離マラソンまでカバーする、オールマイティなシューズだ。「実はぼくが陸上を始めたとき、ミズノのスパイクを履いていたんです。それでインターハイ準優勝したので思い出のあるスパイクでした。速く走る必要があった頃はソールが薄いものを履いていたのですが、今その必要性がないぼくにはこういうクッションがしっかりとあって走っているときに安定性を感じられるシューズがちょうどいいです。あと、ミズノのシューズはやっぱり日本人の足型に合っているのでフィット感が良いですね。どれを履いてもはずれがないです」。

ランニングが共通言語に

競技選手から、走りをさまざまな視点から見て人に伝える仕事を手がけるようになった河原井さん。「撮影するときも、ライティングも一歩引いて俯瞰視して考える。やっぱり自分がプレイヤーだったら取材はできないですよね。でもこれができるのは、やはり自分が陸上競技選手として走っていた時期があるからなんです。それを考えると走っていてよかった、と心から思います」。また、会社員時代から各国のマラソンシーンを見てきている河原井さん。「英語が話せるわけではなかったけれど、ランニングを介して交流できるんです。ランニングが共通言語になってつながっているから、アメリカでもヨーロッパでもアフリカでもアジアでもワールドワイドに活動できるししていきたいと思っています。日本のランニングの文化はすごく成熟していると思いますが、まだまだ世界には知らないことがたくさんあるので、そういうことを伝えていきたいですね。例えば食べ物についても、考え方、カルチャーについても何よりもっと自分が知りたい、という気持ちがあります。そしてそれをみんなに驚きとともに伝えてシェアしたい。もう少し仕事のバランスが落ち着いてきたらトレーニングしてまた寿司の被り物で走るかもしれないですしね(笑)」。

WAVE RIDER 22

本体価格 ¥12,900+税

レッド×レッド 23.0cm – 28.0cm
※着用モデルそれ以外にメンズ、レディースそれぞれバリエーションがあります。
https://www.mizunoshop.net/f/dsg-660184

河原井 司

PHOTOGRAPHER
河原井 司

1986年京都生まれ。現在フリーランスのライター・カメラマン。
高校・大学時代に陸上選手として活躍。全国インターハイ3000m障害で準優勝。立命館大学へ進学し、出雲駅伝、全日本大学駅伝に出場。卒業後は競技選手から市民ランナーとなり、違う視点からランを見つめる仕事を始め現在に至る。