目的は脳のための運動

「ぼくはマラソンから遠い人」。そう話すアートディレクターのハイロックさんが走る理由は、「脳の活性化」のためだという。「走ることを運動のため、体のためって考えていないから、別に汗をかかなくてもいいんですよ。脳に酸素を送って回転をよくできれば。散歩だけでもいいぐらいに思っています。気がのってなかったら走らないですし」。脳の活性化のために走るという考え方は、スポーツ選手に置き換えるとよくわかるという。「例えば野球選手だったら打席に立つ時をピークに体をつくるじゃないですか。生活を整えるところから始まってバッティング練習して、と。その一打席でどれだけ力を発揮できるかが大事ですよね。デスクワークの人ってそれを忘れちゃうんですよ。机に座った瞬間がバッターボックスなのに。だからそこにピークを持っていくところから逆算して考えているんです。その準備の一つがランニングなんです」。

年齢とともにあるライフスタイル

ハイロックさんは都心に住んでいたが、およそ4年前に地元の群馬に拠点を戻した。「元々東京のアパレルブランドでグラフィックデザインをやっていて。そのブランドも景気が良かったし、その後独立して自分で飲食店などの経営もしていたので毎晩お酒を飲んで夜遊びするような派手な生活をしていましたね」。都心での生活から一転、現在はハイロックさんの実家をほぼDIYでアトリエに改装し暮らしている。「タイミングとしては拠点が東京じゃなくてもいいなと考え出したのと、父が亡くなったこと。僕の仕事だとネットが通じればどこにいてもできるし。それが今の時代に生きている特権じゃないかなと思いますね。だからなんの抵抗もなく自然の流れにのっている感じです」。今は週1回東京に通い、打ち合わせやラジオ出演などをこなしている。さらに仕事に集中できるようお酒も煙草もやめ、年齢とともに娯楽は都会での夜遊びから自然と戯れるキャンプなどへと移行しているという。

“走る準備”が習慣化の障害

ハイロックさんといえばガジェット好きのイメージで知られるが、走るスタイルはシンプルそのもの。「何も持たず、着替えもせずそのままの服で飛び出ちゃうっていうスタイル。唯一シューズだけはランニング用を履いたりしますけど。走る準備が大変だとそれが障害になって習慣にならなくなっちゃうんですよ。準備がなければドアを開けるか開けないかの選択だけになる。だからすごく気持ちが楽なんです」。ただ、この方法に行き着くまでにはもちろんウエアなどに凝った時期もあったという。しかし、「マラソンとかジョギングでみんな100点満点取ろうとしすぎている。30点でもいいからなるべく毎日続けられる方が大切かなと。100点で三日坊主じゃ意味がないですよね。年取ってきてだんだん自分の性格がわかってきて、習慣化させるコツがつかめてきたんです。自分がものぐさでだらしない性格というのがわかっているから、ジョギングに限らずいろんなことをなるべく楽に考えるようにしている」。そんな自分なりの工夫によって生まれた習慣なのだ。

毎日続けられる小さな運動

「なるべく行動を小さくして長く続けるようにしたい」というハイロックさん。毎日のジョギングは だいたい同じコースで3kmほどだという。「走るだけじゃなくて体にいろいろなリズムを与えたいから途中に歩道橋を越えたり公園の遊具でバランス感覚を養ったりもしています。本当は舗装されていない森のようなところで凸凹の地面を歩いたりするのが理想的ですが。街でもなるべくそれに近づくように工夫しています。書店もコースに入っているから立ち寄ることもありますよ。本当に自由にやっています」。走る時間もその日の仕事の予定などによってまちまちで、土日は完全にオフ。雨の日などは家にあるサイクルマシンで20分を3セットで20kmほどの運動をするという。「サイクルマシンにiPadをつけているので海外ドラマを観ながらだと知らないうちに終わっています」。話を聞いていると、これならできそうだという感覚になってくる。

スポーツアイテムについて

「最初はスタイルから入るというのもわかるけれど、僕はスポーツっぽすぎるウエアなんかも着ると少し照れくさいんですよね。でも最初はウエアを着るために走っていたような時期もありますけど、やっぱり続けられなかったんですよね。走り終わって洗濯して、とかも含めて考えるともう壮大なことに思えてしまう」。ただし、足を痛めないようにということもありランニングシューズだけは履くというハイロックさんが着用しているのは、トレーニングにもフルマラソンにも対応しミッドフット走行も体感できるミズノ WAVE SHADOW 2。「このシューズはソールがやわらかくて足裏にフィットするからすごく楽に走れます。 フォームもひざを悪くしないように気をつけていてつま先から着地するようにしているのですが、着地も安定してできますね。最近は日本のブランドを応援したい気持ちが出てきていることもあり、意識して日本のブランドをチェックしています」。

大切なのは何のためにどう生きるのか

「効率よく仕事ができれば余った時間でくだらないこともできるじゃないですか。畑仕事もできるし。そう考えるとバランスよくやれるいい時代だと思っていますよ」。現在の健康的な生活も、全ては「いいコンディションで遊ぶため」と話すハイロックさん。「今の生活で体も絶好調ですね。長生きするためじゃなくて、体に悪いことを一生できるように健康体でいたい。ファーストフードのハンバーガーを食べたり夜遊びしたり。それを絶好調なコンディションで死ぬまでやりたい。そこから逆算して考えているんです。もちろん遊ぶときにはリミッターをはずして好きなものを食べたり飲んだりします。精進という名の準備ばっかりしていたら何のために生きているかわからないじゃないですか。人生きちんと楽しまなきゃ」。

WAVE SHADOW 2

本体価格 ¥11,900+税

メンズ
ブルー×シルバー×ブラック 25.0cm – 28.0cm ※着用モデル
それ以外にメンズ、レディースそれぞれバリエーションがあります。
https://www.mizuno.jp/running/waveshadow2

SHINGO SUZUKI

ART DIRECTOR
hirock

群馬県出身。アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないマルチクリエイターとしてのキャリアをスタート。デザインワークを生業とする一方で、雑誌MONOQLOやファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由(マガジンハウス)』。J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY(毎週金曜11:30 - 16:00)」にて毎週生出演で東京の最新情報を発信。
http://www.hi-vision.net/