「誰かが自分を見ている」と信じる気持ちが、未来のホームラン王を育てた

野球選手
山川 穂高 Hotaka Yamakawa(埼玉西武ライオンズ)

試合に出られない悔しさと打てない悔しさは違う

2018年のシーズンで47本塁打を放ちホームラン王に輝くと同時に、パリーグMVPも受賞した埼玉西武ライオンズの山川穂高選手。中心打者としてホームランを量産する山川選手ですが、プロ生活1年目は高い壁を感じたそうです。
「衝撃の瞬間は、ライオンズに入団して憧れのプロ野球生活が始まった直後に訪れました。それは、初めてのキャンプで中心打者の選手たちを見た時です。ポジションを考えると、ホームラン王の獲得経験があるメヒア選手を越えないと試合には出られないと分かった時は、立ちはだかる壁の高さを感じましたね」
すでにホームラン王の獲得経験を持つ選手を越えるという高い壁。「まだ越えられてはいない」と語る山川選手ですが、壁を乗り越えようとどんな努力を重ねたのでしょうか。
「それはもう諦めずに練習を続けることだけです。何度も諦めかけたんですが、結果的にはずっと諦めずに練習し続けてきたから今の自分があると思います。『必ず誰かが自分を見てくれている』と信じていたから、モチベーションが切れることはなかったですね。たとえ2軍の練習でも、自チームの選手やコーチは必ず見てくれているし、なんなら相手チームのコーチや他チームのスコアラーも見てくれていると信じて練習していました」
そんな経験をしてきた山川選手だけに、「試合に出られない危機感の中でもがき続けるプレッシャーに比べれば、試合に出て結果を求められるプレッシャーの方が楽」だといいます。
「試合に出られない悔しさと試合に出て打てない悔しさは全然別物。試合に出られない悔しさは、なかなか自分では解消できません。もちろん試合に出て打てない時も悔しいですが、その悔しさを晴らしたいなら練習すればいい。自分の努力で必ず解消できるから気が楽なんです」

ホームラン王のまま引退したい!?

実はオンとオフの切り替えが苦手だという山川選手。
「試合後にパッと切り替えて野球のことを忘れるのは絶対無理で、ずっと野球のことが頭の片隅にあるタイプです。調子が悪いと『明日も打てないんじゃないか』と不安ですし、調子が良い時も『明日も打てるだろうか』と不安になって夜中にバットを振ったりしてしまう。ずっとこの繰り返しですね」
尽きることのない不安感と上手につきあう方法、実はすでに編み出しているそう。
「性格なのでしょうがないと割り切ることです。性格を変えようと頑張るよりも、打てるように練習する方が簡単(笑)。きっとこの不安感が消えるのは、僕が引退してバットを置いた時でしょうね」
ずっと頭の片隅に“野球”の二文字があると語る山川選手ですが、寝る前の漫画を読む時間だけは野球のことが頭の中から消えるそう。
「漫画を読むと眠くなるので、就寝前に20分程度読みます。この時間は野球のことが頭から消えて漫画に集中しますね。ちょっと現実離れしたサスペンスホラーのような作品が好きで、最近読んで面白かったのは『シグナル100』かな」
最後に、今後の目標をたずねると「やっぱりホームラン王ですよ」とひと言。
「自分以外の選手がホームラン王を獲得するのは嫌。それがたとえチームメートであっても、です(笑)。なんなら毎シーズンホームラン王を獲得し続けて、ホームラン王のまま引退したい。シーズン前に引退宣言したのにホームラン王を獲得して、それでも『さよなら!』って引退するの、カッコイイじゃないですか(笑)」

REACH BEYOND ITEM

ミズノのバット

ミズノ製バットは、弾きが違う。そして音も違う

2018年のシーズンからミズノ製バットを使用する山川選手。ミズノ製に変更した理由は「ボールがバットに当たった時の弾きが全然違い、さらに音も心地よかったから」だそう。山川選手のバットは他の選手よりも長く、先端が重い“トップバランス”と呼ばれるスタイル。これは『バットをムチのようにしならせる感覚で打つことでボールを遠くに飛ばす』という山川選手の理想のバッティングを実現するのに最適な形状だそう。