新しい自分を発見して進化した、バレーボール女子日本代表のエーストリオ(2)

バレーボール女子日本代表は、常に世界のトップで争うことを期待されています。外国勢のスピードやパワーに対し、技術とチームワークで立ち向かい、中でも、アタッカーの古賀紗理那(NECレッドロケッツ)、石井優希(久光スプリングス)、黒後愛(東レアローズ)の3選手は、攻撃をけん引するキープレーヤーとして活躍しています。それぞれ、どのように困難を乗り越えてきたのか、現在の日本代表の強化にどうやって貢献しようとしているのか、第一話に続き話を聞きました。

サポートスタッフや家族の存在は、大きな支え

――それぞれ、試合中やシーズン中に上手くいかないこともあると思いますが、メンタルコントロールは、どのように工夫していますか。

石井 : あまり気にしていないですね。良くも悪くも考え過ぎないことは、大事だと思います。試合は待ってくれませんし、そんなに深く考え込まないですね。「明日には、できるかな?」とか思いますし、開き直りが早いのかもしれません。

古賀 : 私は感情の制御が上手くなくて、絶対に負けたくない!と思ってしまうと、視野が狭くなることが多いので、コントロールする方法を見つけていきたいと思っています。今年から所属チーム(NECレッドロケッツ)でメンタルコーチを務めている柘植陽一郎さんに「自分の感情が先に行ってしまうときは、チームメイトのために何をしようかと考えるようにすると良いかもしれないよ」とアドバイスをもらったので、それを参考にして、試合中に落ち着こうと考えられるようにはなってきました。

黒後 : 試合中に上手くいかないときは…「しっかりしろ、自分!」と思って、太ももをたたくのですが、気付いたら、あざだらけです(笑)。本当に苦しい時期は、家族に電話をします。技術のアドバイスをくれるのは、父。気持ちの面で苦しいときは、姉に連絡します。泣きながら話をすると「へー。ところでさあ」とすごく聞いてくれた上で話題を変えて笑わせてくれるので、助かっています(笑)。

組織的な守備の向上と、個々の向き合い方がチームを強くする

――日本代表の課題や、代表チームにおける自身の役割は、どのように意識していますか。

古賀 : イタリアや中国、セルビアといった、スーパーエースがいる強豪国には、なかなか勝てていませんが、組織的にブロックとディフェンスで助け合ってボールを落とさないように精度を上げていけば、怖くないと思っています。体格で劣る分、個々で戦ったら難しいと思いますが、組織で動けば勝機は見えてくると思います。すごいスパイカーでも上手くいかなければイライラしたり、集中力が欠けたりする部分はあるので、チームとしては組織的な守備で戦えたらと思います。個人では、バックアタックは自分の武器だと思っています。フロントの選手を助ける意味でも大事なプレーなので、セッターが十分な状態で上げられないときでも(打つ位置に)入るようにしています。後方から得点することで、チームに貢献できるようにしたいと思っています。それと、点を取ることをずっと意識してきましたが、最近は守備面でも貢献していく必要を感じています。すべてのプレーで精度を高くしていきたいと思います。

石井 : 代表チームは、クラブと違って帯同時間が短いので、チーム内でのコミュニケーションが薄くならないように心がけています。言い合わずに補い合うところも大切ですが、議論しながら前進すれば、チームとしても一つ階段を上がれると思います。私自身も遠慮してしまうところがあるので、打開して、個人としてもチームとしても上を目指したいです。個人的には、中田監督には、所属チームの久光スプリングスでもお世話になっていたので、一番の理解者でいたいという思いがあります。自分の持ち味としては、エースポジションで点を取ることも大事ですが、守備やサーブも含めて全体的なバランスでコートに欠かせない存在になりたいです。

黒後 : チームが始動したときのミーティングで「魅力的なチーム」という話を監督の(中田)久美さんから聞いたので、そうなるために何が必要か、個々に自分と向き合って、チーム全体に発信して共有することが大事なのかなと感じています。私は、自分の持ち味がパワースパイクなので、それでチームを勢い付けることだと思っています。相手のブロックが2枚揃っていても、高いブロックを利用するなど、決め切ることを課題にしています。

*2020年2月取材

JVA2021-04-006