アメリカ・ポートランドにあるミズノの海外デザイン拠点『USDIS』の内側に迫る!

ポートランドには世界最先端のランニング文化がある

アメリカ・オレゴン州の北西部にある街、ポートランドは、全米住みたい街ランキングで1位を獲得したこともある街。夕刻には川沿いの遊歩道をゆったりと散歩する人々に加え、ジョギングウエア姿のランナーやサイクリストたちがエクササイズを楽しむ姿が。また、街のあちこちにあるおしゃれなカフェやショップからは、豊かな創造力と個性を感じます。そんなポートランドに、ミズノのランニングシューズの海外デザイン拠点『United States Design Innovation Studio(以下:USDIS)』はあります。遊び心いっぱいのインテリアに囲まれたオフィス空間は、デザインスタジオらしい雰囲気が漂います。現在のUSDISの役割について、フットウエアデザイナーの上田竜範に聞きました。
「現在、USDISにはフットウエアデザイナーとカラーリストが常駐しています。フットウエアデザイナーは、アメリカを中心とした海外向けフットウエアデザインを担当しています。カラーリストは、全フットウエアの色に関する企画と配色を担当しています」
さらに、ポートランドにデザイン拠点を置くメリットはとても大きい、と上田。
「私はアメリカ向けフットウエアのデザインを担当しているのですが、ポートランドはランニング文化の視点から見ても世界最先端の街。そのため、世界的に有名なスポーツメーカーやアウトドアメーカーの本社や開発拠点が多数あり、日本では得られない情報や最新のトレンドをいち早くキャッチできます」
続いて、ミズノの全ランニングシューズの色に関する企画や配色を担当するカラーリストのKimに、仕事内容を聞きました。
「シーズンごとに設定されたカラーテーマからイメージやシーンを集め、ひとつのストーリーを構成します。同様にして、いくつかのストーリーができあがったら、それらを一つの輪のようにつなげ、メインストーリーを完成させます。メインストーリーに合わせてメインカラーや配色、組み合わせを決めていきます。カラーテーマと顧客ニーズをリンクさせつつフットウエアの配色に落とし込んでいくのは、やりがいのある仕事です」

街の空気や人々がデザインの刺激になる

日本の本社とポートランドの両方でフットウエアデザインに携わった経験から、「ポートランドに来て以来、今まで以上にユーザーのことを頭に置いてデザインするようになるなど、デザインに対する意識が変わった」と上田。
「暮らしにランニングがとけ込んでいる街だけに、ランニング専門店も多いです。しかも、ランニングシューズを買う場合、お客様は店員と対話しながら長い時間を掛けて最適な一足を探し出そうとし、店員も豊富な商品知識を駆使して最適だと思うシューズを提案します。そんなプロフェッショナルな店員と話したり、ランナーのウエアコーデを眺めるだけでも、フットウエアデザイナーとしては新たな発想の刺激になりますね」
続いて、「アメリカ人が持つポートランドのイメージは、“クリエイティビティが豊かで、個性的な人々が多く集まる一風変わった街”です」と語るカラーリストのKimに、ポートランドという“場所”がデザインにもたらす価値について聞きました。
「山や川、さらには火山や氷河までが、すぐ近くにある都市と共存しているのがポートランド。それこそが、アウトドアやスポーツ関連の企業が集積している理由だと思います。私自身、そうした大自然からデザインインスピーレーションを得ることも多いですよ。また、どんなアイデンティティも尊重するポートランドの風土を好み、高いクリエイティビティを備えた人々が集まってきているのもその一つです」
シューズデザインの最新トレンドをいち早くキャッチできるUSDISは、今後もミズノのランニングシューズにおけるデザイン戦略上、不可欠な存在であり続ける、と上田。
「世界のシューズデザインの最先端に触れられるUSDISは、デザインレベル向上に必ず寄与し、ミズノのランニングシューズをさらにカッコ良くする原動力になるはず。私もその一助となれるよう、ポートランドでさらにデザインや感性を磨き続けます」