アメリカ・ポートランドでの刺激を昇華し、シューズデザインの進化に貢献する

フットウエアデザイナー
上田 竜範 Tatsunori Ueda(ミズノ)

志を高く持ち、人々に貢献するデザインをめざす

アメリカ北西部にあるオレゴン州の都市、ポートランド。ミズノのフットウエアデザイン拠点『United States Design Innovation Studio(以下:USDIS)』で働くフットウエアデザイナーの上田竜範は、ミズノ大阪本社でフットウエアデザイナーとして勤務した後、ポートランドにあるUSDISに赴任しました。
「学生時代から大好きなスニーカーに関わる仕事に就きたいと思っていました。でも次第にスポーツシューズのデザイナーになりたいとわかったんです。それで、四年制大学卒業後に専門学校に入学し、本格的にフットウエアデザイナーを志しました」
「専門学校入学当時は、デッサンの経験どころか絵心もなかった」と語る上田。しかし、フットウエアザイナーになるべくデザインや絵の勉強や練習を重ね、専門学校卒業後、プロダクトデザイナーの仕事を経てミズノに入社。現在はフットウエアデザイナーとして毎日高い壁にぶち当たる日々だといいます。
「四年制大学卒業後に専門学校に入学した分、同世代のデザイナーに比べてデザインに費やしてきた時間が少ないんです。だから、より多く経験を積んで早く成長しないといけない。今はそればかり考えすぎて焦り、時々自分が嫌いになるぐらいです(笑)」
常に高い壁が立ちはだかる日々の中でも、志高くフットウエアデザインと向き合い続ける上田。そのモチベーションの根源にあるのは『フットウエアデザイナーとして、ひとりでも多くの人に貢献したい』という想いでした。
「気持ちを盛り上げたり、やる気を刺激するなど、スポーツを通じて何かを成し遂げたいと考える人にデザインで貢献したい。この想いを胸にデザインと向き合っています」

クリエイティビティ溢れる街の空気がデザインの刺激になる

ポートランドへの赴任をチャンスと捉え、「趣味は仕事。時間が許す限りデザインしていたい」と語る上田だけに、今はつい仕事優先になってしまうそう。
「ポートランドは世界的シューズブランドの本社も多く、世界と戦っていると強く感じます。そのせいか、勝利の一助となれるレベルに成長するまでは、時間を一刻も無駄にできないと考え、つい夜遅くまで仕事に没頭してしまうんです」
強制的にオフタイムを作ろうと、ポートランドに赴任してから趣味として始めたのがランニング。
「運動不足解消はもちろんですが、走っている間は何も考えなくなりますから。ただ、ポートランドはランナーも多く、ランニングが暮らしの一部にとけ込んでいます。走りながらそうしたランナーのウエアやシューズを見るだけでも、市場やトレンドの調査になるんですよ。結局、半分仕事のような感じになっていますが(笑)」
また、ポートランドの街にはクリエイティブな空気が満ちていて、日本では得られない刺激があるといいます。
「カフェやショップの何気ないオリジナルグッズでも、デザインのレベルがとても高い。なぜだろうと思いながら街ゆく人を観察すると、クリエイティブな仕事に携わる人が多いように感じます。そんなこの街の雰囲気は、自分のデザインにも刺激になっていますね」
同僚のカラーデザイナー・Kimからは「日本人らしく仕事ぶりがとても真面目」と評される上田ですが、ポートランドでの仕事も街の雰囲気も自分に合っていると感じているようで、今後は自らのさらなる成長に加え、USDISを盛り上げることにも取り組んでみたいそう。
「地元スポーツイベントに参加するなど、ポートランドの人々や文化をより身近に感じられるような活動をしてみたい。もちろん街や人々に刺激を受けながら経験と努力を重ね、フットウエアデザイナーとしてもっと成長したいです。『ミズノはいいね!』と感じてもらえるフットウエアデザインを生み出していきたいですね」

REACH BEYOND ITEM

学生時代に作成したポートフォリオ

専門学校生時代の“もがき”が凝縮された一冊

フットウエアデザイナーを志し、四年制大学を卒業後に専門学校に通った上田。このポートフォリオは、専門学校在学中に就職活動のために作成したもの。「今見ると、デッサンも直したい部分がありすぎて全然ダメなんですが、当時の思い出が鮮明に蘇ります」と上田。ポートフォリオを眺めながら当時の自分を思い出すと、自然にがんばろうというモチベーションが湧いてくるそう。