練習でトコトンまで自分を追い込むのは、良い演武を届けたい想いから

空手道選手
清水 希容 Kiyo Shimizu(ミキハウス)

進化し続けるために、常に前向きに考えられるようになった

古くから伝わる技の動きを単独で演武し、その美しさや力強さを競う空手道の『形』。清水希容選手は世界空手道選手権で2連覇、『皇后杯全日本空手道選手権』の女子KATA(形)において6連覇を達成するなど、日本のみならず世界のトップ選手として活躍しています。常に高い壁を自らに課してきたと語る清水選手ですが、一番高かったのは高校2年生の時の壁だそう。
「実は、高校2年生になるまで全国大会で優勝したことがなかったんです。それで、『高校3年生になるまでに全国大会で優勝できなかったら空手をやめる』と親と約束をしました。自分自身にプレッシャーを掛けるための約束だったんですが、あれは自分で決めたとはいえ、今振り返ってもかなり高い壁だったと思います」
大好きな空手をやめることになるかもしれない壁を自ら立てたことで生まれたのは、絶対に負けられないという想いと日々を大切にする気持ちでした。
「過緊張しやすく本番に弱いタイプだったんです。でも自分と向き合って『なぜ緊張するのか』を考え、先輩の『稽古の中では自分が一番下手だと思え。下手だからこそ努力しろ。でも、大会では自分が一番だと思って臨め』という言葉を胸に、手を抜くことなく毎日練習するようになりました。すると本番でも緊張が解けて実力を出せるようになったんです」
さらに、高い壁が立ちはだかって前に進めない時を挫折と考えるか、チャンスと考えるかは自分次第、とも。
「今は数多く優勝を経験したことで、追われる厳しさも負ける悔しさも知ることができました。だからこそ、勝ち続けるために常に進化する方法を探求し、どんなに高い壁が立ちはだかっても前向きに考えられるようになりました」

自己満足ではなく、良い演武を届けるために練習する

「プレッシャーを掛けまくって、追い込みまくる方が自分には合っていますね(笑)」と語る清水選手ですが、その原動力はどこにあるのでしょうか。
「負けず嫌いなのもありますが、普段から私を支えてくれる人、さらには応援してくれる皆さんに目に見える結果で恩返ししたいという想い、さらには結果だけじゃなく“良いものを見てもらいたい”という想いですね。日々の練習は自己満足のためではなく、見てくれる人に喜んでもらえる演武を届けるためにするものだと考えています」
そんな清水選手もオンとオフの切り替えは、あまり得意ではないそう。
「ずっと練習していたいタイプで、トレーナーやコーチから言われてようやく休むという感じで(笑)。でも最近は、オフの過ごし方やリフレッシュの方法を模索しているんです。翌日の練習に備えて身体を動かさずにボーッとしたり、新しい考え方を学ぶために本を読んだり。でも改めて振り返ると、やっぱりオフタイムも空手につなげて考えていますね(笑)」
2020年の正式競技に選ばれた空手道。多くの人に空手道の存在が広がりつつあると実感しているだけに、今は小さな積み重ねを継続することが一番大切なことだといいます。
「2020年の大会は優勝を狙います。空手の関係者はまだ誰も経験したことがない大舞台ですが、所属先には別の競技で出場経験を持つ先輩が多くいるので、情報や雰囲気を聞きながら万全の準備をしたいです。一日一日を無駄にせず、取り組むべき方向を見誤らないように気をつけながら日々稽古を重ねていきます」

REACH BEYOND ITEM

ハーフポール

練習前、試合前のルーティーンに欠かせない

ハーフポールは、体幹のバランスや身体全体の歪みをリセットするコンディショニングツール。身体のどこかに歪みがあると、重心バランスが崩れたり身体の連動が悪くなってしまうなど、調子を崩す原因になってしまうのだとか。「毎日の稽古前はもちろん、試合前も必ず使っています」と語るほど、清水選手にとっては思い通りに身体を動かすための必須アイテム。