選手を支え、幼い頃から夢見た舞台へ

法政大学 陸上競技部 駅伝主務
森田 拓海 Takumi Morita

共に生活し、選手を支えていく

法政大学の陸上競技部でマネージャーを務める森田さんは意外にも、高校までは野球一筋だったといいます。しかし、新年の大学駅伝で“花の2区”が走る権太坂と実家が近く、幼い頃から大学駅伝を身近に感じて育ち、その華やかな世界に憧れを抱いていました。
「走るのは無理でも、マネージャーとしてサポートすることはできるだろうと。大学入学と同時に陸上競技部のマネージャーになりました。しかも、マネージャーとしては異例のことなのですが、選手と同じように寮に住み込むことを志願しました」
部活の時間だけでなく、より深く選手を知るために日々の生活をも選手と共にする道を選んだ森田さん。しかし、入寮当初は選手から距離を置かれていると感じたこともあったそう。「マネージャーは監督の指示を選手に伝える立場でもあるので、マネージャーがいつも近くにいると、監視されている気分になってしまう選手もいたかもしれません」と森田さんは振り返ります。
しかし、自分から動かなくてはなにも始まらないと、森田さんは積極的に選手とコミュニケーションを取っていきます。そして次第に選手たちと打ち解けていくと同時に、監督とも密にコミュニケーションを取ることで、監督と選手の間で上手くサポートできるようになっていきました。調子を落としている選手や大会のメンバーから外れた選手を励ますなど、“心のケア”もマネージャーの大切な仕事といいます。例えば大事な大会の直前に、当時のキャプテンが大きく調子を落としてしまったときのこと。
「監督がなにげなく呟いた『あいつが間に合えばいいな』という言葉をキャプテンに伝えました。『監督はまだキャプテンのことを諦めていませんよ』って。僕がそれを伝えたことでキャプテンは気持ちを切り替えることができたみたいで、卒業時に『お前の言葉には本当に救われたよ』と言ってもらえました。自分も選手の力になれていると実感できて、とても嬉しかったですね」

“史上最強のチーム”を在学中に

オフの時間は気持ちを切り替え、他大学の友人と遊びに出かけたり、テレビのお笑い番組を見てリフレッシュすることが多いという森田さん。しかし、オフの時間にも“学び”や“刺激”を得ることがあるそうです。
「僕はマネージャーの中でも、駅伝関係の責任者である駅伝主務を任されているのですが、他大学の駅伝主務とよく話をします。選手との接し方など同じ悩みを抱えているので、勉強になることも多いですね。また、法政大学の野球部やアメフト部にも友人がいるのですが、彼らの活躍を耳にすると“自分もがんばろう”と気合が入ります」
森田さんの話しぶりからは、幼い頃から憧れ続けた舞台に関わり、充実した日々を送っていることが伝わってきます。現在の目標を尋ねると、「史上最強のチーム」と答えました。
「自分が在学中に、“法政の歴史上で一番強いチーム”になれたらと嬉しいですね。素質のある選手も揃っていますし、みんな“強さへの探究心”もあるので、その可能性は充分にあると思っています」
そして、間近に控えた新年の大会。
「2018年は総合6位に入賞できました。その大会後、選手たちとミーティングを開き、『来年は総合5位以内を取る』と決めました。その目標に向けて、僕たちはこの1年間努力を積み重ねてきました。ベストな走りができれば、絶対に達成できると信じています」

REACH BEYOND ITEM

駅伝のたすき

一本のたすきに全員の想いが宿る

今ではたすきの管理を任される森田さんは「このたすきをかけて走りたいと思って、みんな入部してきていますから」といいます。「出場する選手だけじゃなくて、エントリーされなかった選手の想いもたすきには込められています。大会のスタート前にこのたすきを1区の選手に渡すのですが、そのときは『これから夢の舞台が始まる』って胸が高鳴りますね」