チャレンジを続ける先にある成長や喜びを体現し、伝えていく

アドベンチャーランナー
北田雄夫 Takao Kitada

自分自身の成長をリアルに実感できるのが楽しい

2017年に世界7大陸のアドベンチャーマラソンを日本人で初めて走破するなど、世界最高峰のレースに挑戦し続けるアドベンチャーランナーの北田雄夫選手。
「アドベンチャーマラソンとは、灼熱の砂漠や密林が生い茂るジャングル、極寒の氷河エリアなど、過酷な自然環境の中を数日間以上かけて走り抜くレースです。もちろん勝利するためには速く走る走力や体力が必要ですが、それだけでは勝てません。レース中は次々に起こるトラブルへの対応力や、他の選手やスタッフと共同生活するので、精神力やコミュニケーション力など、トータルな“人間力”も必要です」
レース中、トラブルに見舞われていない瞬間はない、と北田選手。
「例えば、2014年にはチリにあるアタカマ砂漠を7日間かけて走るレースに出場しました。標高3,200m、気温45度の中を走り続けます。立っているだけで暑くて熱中症になりそうなのに、砂漠だから吹く風は熱いし日陰もない。身体を冷やすために水を飲もうとしたら、ボトルの水がお湯になっていて冷やせない。そんな中でトータル250kmを走りきりました。ずっとトラブルに対処しながら走っていましたね」
過酷な環境下で行われるアドベンチャーマラソンですが、その過酷さを超える“楽しさ”があるというから驚きです。
「レース中は本当につらいことばかり。でもレース後に『次はもっとこうやれば速くなる』、『こうやれば荷物を減らせる』など、走るたびに自分自身の成長をリアルに実感できるのが嬉しいし楽しい。次のレースは前回よりもうまく走れるのがわかっているんだから、走らない理由がありません(笑)」

粉ミルクが過酷なレースをサポート!?

過酷なアドベンチャーマラソンに挑戦し続ける北田選手ですが、オフタイムもレースのことが頭から離れないといいます。
「トレーニングの合間には、熱い想いに触れる機会を積極的につくるようにしています。例えば、情熱を持ったヒーローが活躍する漫画を読んだり、美術館で岡本太郎さんの作品に触れたり、たくさんの気づきがある詩を鑑賞したり。オフの時間の行動も、何かしらレースにつなげようとしている自分がいますね」
さらにレースで使えるアイテム探しで役立つのが、スーパーで買い物をするひと時。珍しい食品を見つけると、反射的に内容表示にある栄養価や成分を確認してしまうとか。
「より小さくて軽くてハイカロリーで栄養バランスが良い食品を求めています。美味しければなお良しです。マイブームは、先日スーパーで見つけた粉ミルク。100gあたり400kcal以上あって、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、鉄分も入った完全食なんです。しかも吸収が早く、胃が疲れていても水に溶かして飲める。早速、次のレースで使用する予定です(笑)」
今後は競技で上位をめざし続けることに加え、“伝えること”も目標のひとつ、と北田選手。
「過酷な環境下での辛いトラブルを克服するからこそ、その先で成長や喜びを実感できる。常にチャレンジすることの面白さを伝えたい。私の挑戦や取り組みを見て、アドベンチャーマラソンに挑戦する人が登場してくれたら嬉しいですね」

REACH BEYOND ITEM

トレーニングノート

この一冊に自分のすべてが凝縮されています

学生時代から記録し続けているというトレーニングノート。最近は、1日のトレーニング内容や出来事、気づきを得た言葉、日常のスケジュールのほか、スマホなどで記録したレース中の日記もこのノートに転記しているそう。「書き込むことや読み返すことで当時を振り返り、反省点や改善点を考えながら自身の刺激としています」と北田選手。