『答えを持って泳ぐ』ことで、泳ぎの速さと精神的強さを手に入れた

競泳選手
青木玲緒樹 Reona Aoki(ミズノスイムチーム)

『ひとつずつ考えて実践』で、5年ぶり
の自己ベスト更新

2018年のアジア競技大会の100m平泳ぎで銀、200mで銅メダルを獲得、さらに2019年の水泳世界選手権の100m平泳ぎで4位、日本選手権では50m平泳ぎの短水路日本新記録を樹立するなど、成長著しい青木玲緒樹選手。
これまでの競技人生における最も高い壁は、中学2年生から大学1年生までの約5年間、自己ベストを更新できなかったことだそう。
「中学生時代に出した自己ベストを高校生になっても超えられなくなって…。当時は精神的に苦しかったですね」
今思えば、記録が出ない理由は自分の中にあったといいます。
「当時はコーチに言われた練習を淡々とこなすだけで、『自分で考える』ことを一切していなかったんです。でも大学入学後は、コーチの指示やアドバイスに対して自分なりに考え抜いて、自分の答えを持って実践するようになりました。それからですね、再び自己ベストを短縮できるようになったのは」
しかし、答えを持って練習に臨むことで新たな課題が浮き彫りに。それはコーチからの指示やアドバイスが多く、自身のキャパシティを超えてしまったのです。
「指示やアドバイス通りにできない自分に焦りばかりが募って、結果的に自分の泳ぎを見失っていました。でもある時『自分は器用じゃないから全部同時にはクリアできない』と良い意味で開き直れたんです。すると、課題をひとつずつ着実にクリアしようと考えられるようになり、ひとつクリアしたら次の課題へ…という感じで、順番に取り組んでできることが増えていきました。すると、一歩一歩成長を実感することができ焦りが消えました。結果的に自分の泳ぎが良くなり、自己ベストを更新できたんです」
練習中から泳ぎを考えるようになった青木選手。すると、以前は緊張して試合中は何も考えられなかったのが、レース中に自分の泳ぎを冷静に分析して修正できるようになり、精神的にも強くなれたと感じているそうです。

増していく、日本代表への想い

2019年に日本新記録を樹立するなど、今の活躍の原動力となっている体験は大学入学当時にさかのぼります。
「大学の同期入学のメンバーがとにかく凄くて。すでに日本代表の仲間も複数、中には世界記録保持者もいました。最初は『この中に加わって大丈夫かな』という気持ちがあったのも事実。ただ、同期の仲間と練習を積むうちに『自分も一緒に日本代表に加わりたい!』という想いが増していきました」
現在は世界の一流スイマーと肩を並べる青木選手も、大学入学当時は実力不足を痛感したといいます。
「大学に入学して同期の練習を見て驚きました。単に速いだけではなく、練習態度や姿勢が自分が描く“理想の形”とは全然違っていたんですよ。みんな厳しくても淡々とストイックに練習して、メイン練習ではきっちりタイムを出してくる。練習にもメリハリがあるんです。『一流選手はこうも違うのか』と気づかされました」
そんな厳しい練習の合間にあるオフの主役は身体のケアだそうで、それ以外の時間は友達とショッピングや映画を楽しむことが多いとか。
「オフの日は身体のケアの予定が最優先。次の日に練習がある時は、練習に支障が出ないような過ごし方を意識しています。オフの日も水泳のことが頭にあるのかもしれませんね」