兄の影響で始めたバイクレース。内気な少年が密かに抱いた夢は世界1位。
スランプ後、山中選手と父との会話にいつも交わされる言葉があった。
山中選手:「早く走れなかったらやる意味ないなって自分も思いますし、やるならもう頂点は常に目指したいんで」
山中選手の父:「とりあえずもうやり始めたんだったら勝とうよっていうのは2人での話し合いだったんです。負けるようなレースをするんだったらやめようよと。そういうのは昔からよく話していたので」
ラストコーナーを曲がった山中選手。
直線で1人を抜いてさらに上位へ。しかし惜しくも頂点には届かなかった。
健闘虚しく3位に終わってしまった。
勝てないならやめた方がいい。父と交わした言葉は世界を獲るまで終わることのない約束だ。
この時すでに17歳の青年には次の野望が芽生えていた。