≪管理栄養士が教える!試合前の食事メニュー≫

1月は箱根駅伝やサッカー、ラグビー、バレーと高校生の全国大会など、スポーツが目白押しでしたね。部活動を頑張っている学生さんや、趣味でマラソンなどをしているみなさんにも大切な試合があると思います。試合当日は普段より起床が早くなったり、長い移動時間を要したり、会場には多くの人がいて集中できない・・・など挙げればキリがないですね。「試合前は緊張して食事も喉を通らない」なんてこともあるのではないでしょうか。
しかし、空腹で試合に臨んでも力はでません。きちんと食事を取り、日頃の練習の成果を発揮し、最高のパフォーマンスをする。そのためにはどんな食事がいいのでしょうか? 「運動前は炭水化物がいい」というのはみなさんも何となく聞いたことはあると思いますが、炭水化物なら何でもOKという訳でもなさそうですよ。

その辺りを今回もミズノスポーツサービス株式会社 シーサイドテニスガーデン舞洲 支配人で「管理栄養士」「健康運動指導士」でもある 吉田拓示に説明してもらいましょう。


試合当日の朝ごはんを想定したメニューを説明します。もっとも、試合の時間はまちまちだと思いますので、試合開始が午後なら昼食、夜間の試合なら早めの夕食と捉えてもらえれば良いでしょう。

試合前の食事のポイントとして次の点があります。

【1】 試合を乗り切るエネルギー(カロリー)を確保する。
腹が減っては戦はできぬ!!

【2】 消化に負担のかかるもの、食中毒のリスクのあるものは避ける。
前泊する場合なら事前に宿泊先に確認したり、周囲の飲食店を調査しておきましょう!!

【3】 事前に試しておく。
トレーニングと同じく、胃腸にも慣れが必要です。消化力にも個人差がありますよ!!

運動する際のエネルギーですが、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンと言う物質がエネルギー源になります。このグリコーゲンは、食品に含まれる炭水化物(糖質)から合成されます。炭水化物を含む食品はご飯(米)やパン、お餅、うどんやパスタと言った麺類、果物、などが挙げられます。
一般的な日本の食事の場合では、主食に該当しますよね。これらをしっかり摂ることで、試合中のエネルギーを満タンにしておかなければいけません。ただし・・・このグリコーゲンが身体に蓄えられる際は、水分子も一緒に蓄えられることが分かっています。つまり、いくら大切な炭水化物でも食べ過ぎてしまえば、試合当日に思わぬ体重増加を招いてしまう恐れもあるのです。
試合当日に体重が増えてしまうのは、恐らくほとんどの競技で避けたいことではないでしょうか。やみくもに炭水化物を増やすことが決してプラスには作用しない面もありますのでご注意ください。
ここまでをまとめますと「普段のトレーニング時と試合当日の運動量の違いを考慮して、また、食べ過ぎて体重が増えすぎてしまわないことも考慮して、前日から当日にかけて炭水化物の量を調整していく」ことが大切になります。

また、炭水化物が豊富な食品でも、その調理方法には注意しないといけません。食品ごとに具体例を挙げますと・・・

NG ツナマヨおにぎり,チャーハン
OK おにぎりなら具は梅干や鰹節等,炊込みご飯,ちらし寿司
パン
NG クロワッサンやデニッシュ バターやマヨネーズは避けましょう
OK あんぱん,ジャムパン等
うどん NG 天ぷらうどん
OK きつねうどん,力うどん
パスタ
NG ミートソース,カルボナーラ
OK 和風ソースが望ましい。


このように、調理方法によっては脂肪分も大量に摂ってしまうケースもあるので注意しましょう。脂肪は消化に時間がかかるので、肝心の試合中にお腹が痛くなる・・・みたいなトラブルも増してしまいます。また、腹痛と言えば、食中毒のリスクも抑えたいものです。生野菜や生魚を避けたり、食事前の手洗いやうがいを普段以上にしっかり行いましょう。

そしてエネルギー源を蓄えるのは試合当日だけではありません。試合前日の食事も重要になってきます。食べ過ぎにならない程度に、炭水化物の割合を増やしておきましょう。また、『試合の日だから特別なものを食べないと・・・』『一流選手は○○を食べているから・・・』と不安になるかもしれません。
確かに一流選手は試合前にパスタを食べるケースが多いように思われますが、視点を少し変えて考えると・・・一流選手は海外でプレーする機会も多いですよね。パスタであれば、ほぼ万国共通で美味しいものが食べられますので、国が変わっても慌てなくて済みます。
これが、米が食べたい!となると、国によっては美味しいものが食べられない場合もあるでしょうし、じゃあ日本から持ち込んで・・・も大変でしょう。自分のこだわりの物が食べられずイライラして集中力を欠いてしまうようなら、そのマイナス面の方が大きいようにも思われます。

ポイント【3】ですが、試合が朝早い場合は胃腸が対応できない可能性もあると思います。事前に同じ時間に食事を摂ってトレーニングや練習試合を行ってみて、身体を慣らすと良いでしょう。

また、"食べ方"にも注意が必要です。慌ててご飯をかき込んではダメです。口に入れてよく噛むことで、食品は細かくなって胃に送られて、それが消化を早めることにつながります。また、よく噛むことで脳が覚醒しますので、頭が冴えることにもなります。落ち着いて食事を摂るために試合前日は早く寝て、当日は早起きしましょう。

このように、【1】~【3】を満たしていれば、そこまで神経質になる必要もないのではないでしょうか。試合会場が遠い場合は前泊になるでしょうし、その場合は【2】を踏まえて、現地の美味しいものを食べてリラックスするのも試合にはプラスでしょう。

今回のメニュー例は餅入りの力うどんですが、これでは足りないと言う方も多いと思います。その場合はおにぎりを足したり、果物を足したり、【1】を意識して加減しましょう。甘いものが欲しい場合は和菓子を捕食にしましょう。カステラは持ち運びも便利なので、私のおススメです。

身長171cm、体重57kgの私がフルマラソンを走る当日は、スタート4時間ほど前に写真の食事を摂る場合が多いです。特に冬場は温かいものが欲しいですからね。朝起きて、お腹の空き具合によってお餅を増やしたり、さらにご飯を摂る場合もありますが・・・。
また、特にうどんにこだわりがあるのではなく、前泊の場合は一般的な和風の朝食を摂ります。ご飯はしっかり2~3杯!!また、スタート前に空腹感が強くなって、カステラやエネルギー系のゼリーをプラスする時も多いですね。私のスポーツ歴はマラソンのみですので、皆さんの参考になるかは微妙かもしれません・・・

皆さんもいろいろ試してみて、自分に合った食事内容を見つけて行きましょう!!