硬式野球の強打者が軟式野球をやると、なぜかフライばかり...真相を聞いてきました。

全国大会に出場したようなバリバリの元・高校球児が、草野球で軟式ボールを打つとポップフライ。そんな光景をみなさん、見たことはありませんか? 多くの硬式野球経験者が悩む「ボールがなかなか前に飛ばない」「フライばかり打ち上げてしまう」という現象は、実は科学的な根拠があるのです。今回はその謎を解き明かしていきます。

誰もが軟式ボールに苦しんでいる!?

今回、話を聞いたのはミズノ株式会社研究開発部の田渕規之。まずは、いかにバッティングが繊細なものかについて。

「伝説の4割打者といわれるテッド・ウィリアムスでさえも『野球のバッティングはスポーツの中で一番難しいタスクだ』と語るほど。バッティングはボールとバットのインパクトの瞬間、時間で言えば約0.01秒前後、空間で言えばバットとボールの接する面で約13ミリ以上ズレるだけで、しっかりミートできないとも言われています。それくらい野球のバッティングは難しいものです」

無造作に見えるスイングも、明暗を分けるのはミリ単位のズレ。ほんの少し調整が狂うだけでミートできなくなります。扱う球が違えば、その感覚が狂ってしまうのも無理はない話です。

「今回は高校時代に硬式野球を経験し、その後軟式野球を継続してやっているという野球選手24名に対して、軟式野球と硬式野球でのインパクト時の違いについて質問。すると驚くことに、軟式野球では、硬式野球の感覚で捉えたと感じた打球がフライになることがあると答えた人が9割を超える結果となりました」

冒頭で挙げた悩みは、硬式野球経験者ならば誰しもが持つ、共通の悩みだったというわけですね。

軟式ボール攻略のカギは「8ミリの違い」

みなさんが実感する悩みは、データとしても実証されています。

「ティーの上に置かれた静止したボールを、毎回同じ角度、同じ位置で正確に捉えることが出来るバッティングマシーンを用意して実験を行ったところ、硬式ボールでは中心から28ミリ下を打った時に飛距離が最大化したのに対し、軟式ボールでは20ミリ下を打った時に飛距離が最大化するという違いが現れました」

硬式ボールと軟式ボールに見られる8ミリの差。冒頭で説明したズレを考えれば、この違いがバッティングに影響を与えるのは明らかですね。この差はボールの硬さの違いなどが原因となっているようですが、他にも軟式ボールと硬式ボールでは打球に違いが生じるようです。

「打点がボールの中心からずれればずれるほど、軟式ボールの方が硬式ボールよりも①打球速度が低下しやすい②打球に角度がつきやすい(フライになりやすい)という2つの傾向が確認できました。」

ボールが軟らかいために起きる現象は、打者にとっては厄介な要素のようです。この難題を克服するためには「軟式野球のバッターも、セオリー通り少しアッパースイングにしてボールの下を打たなくてはなりません。ただし、硬式ボールを打つ時よりは少し中心に近いところを打つように心掛けると良いと思います」

軟式野球でボールを遠くへ飛ばすためには、硬式野球とは少し違った工夫をする必要があるようです。

ハイスピードカメラが捉えた事実

硬式ボールと軟式ボールの打球の傾向の違いの原因は、インパクトの瞬間にありました。

「軟式ボールとバットのインパクトの瞬間をハイスピードカメラで撮影したところ、軟式ボールを打つ際、実はボールが潰れながらバットの上面側に滑っているということが判明しました。」

ボールがバットの上面まで滑ってから打ち返されるということは、バッターが捉えたと感じたポイントより実質的には更にボールの下側を叩いているということになります。その結果、フライになり易く遠くに飛ばない、という結果が生まれる訳です。

<- p="" class="mb-30 mb-20-sp">そこで、軟式ボールを打つ時には、硬式ボールを打つ時とは少し異なった、バットに「乗せる」感覚のバッティングが必要になります。

この現象に対応するのがミズノで開発したバット「Gメタル」です。

軟式ボールも飛ばせるバット「Gメタル」とは?

インパクト中にボールがバットの上面へ滑る現象を抑える新技術を採用したのが、ミズノの新しいバット「Gメタル」です。

この「Gメタル」はバットの打球部の表面にザラザラとした細かい凹凸があり、インパクト中のボールの滑りを少なくします。その結果、適切な角度に向けて程よいスピンがかかった状態でボールを弾き返すことができるので、飛距離アップに繋がります。

さらに、ボールが滑りやすい雨の日になると「Gメタル」の表面にある凹凸はより威力を発揮するんです。

硬式野球経験者が軟式ボールを打つためには、まずは中心を狙って打つこと。そこに「Gメタル」があれば対策はバッチリです。今度の試合では、これまでの悩みを吹き飛ばすような大飛球を狙ってみてはいかがでしょうか?

記事でご紹介したGメタルはこちら!
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参考文献
・Williams, T. and Underwood. J., "The Science of Hitting", Simon & Schuster,(1986), pp. 7
・Watts, R.G., and Bahill, A.T., "Keep your eye on the ball", W.H.Freeman & Company, (2000), pp. 153-170
・田渕規之, 鳴尾丈司,"硬式野球用ボールと軟式野球用ボールの打ち出し特性の比較", シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2013講演論文集,(2013)