ノンレム睡眠が記憶の定着に与える好影響とは?

「試合前だから、今日はカラダを休めてしっかりと寝るように!」

そもそも脳は、イメージしている映像が「現実」なのか「想像」や「夢」なのかを区別できず、夢で起きたことに対しても筋肉や神経が反応してしまいます。その働きを利用して、リアルに感じられるような「成功体験」を頭の中で繰り返し想像すれば、苦手な相手や状況に出くわしても、自然と上手に対処できるようになるのです。

スポーツの経験がある人は、そんなセリフを監督やコーチに言われたことがあるのではないでしょうか? 疲れをとるために睡眠が重要だという事実は誰もが知るところですが、その効果は、実は疲労回復だけではありません。自身の力を伸ばしたい時にも、寝る間を惜しんで練習するより、適度に睡眠をとるほうが効果的だったのです。それを実現しているのが、「ノンレム睡眠」の最中に脳が行う"寝ながら復習"なのです。

ノンレム睡眠は、カラダと脳を休ませる深い睡眠状態のことを指すのですが、脳に関してはただ休んでいるというわけではありません。この時、脳内では情報処理をストップする一方、今まで培ってきた練習の成果を定着化するために2つの作業を行っています。1つ目は「大会前日、練習場でサッカーのセットプレーの練習をした」というような、いつどこで何をしたかを記憶する「エピソード記憶」。2つ目は「その練習中にもらった、コーチからの具体的なアドバイス」などの知識を覚える「意味記憶」。この2つの記憶が、練習で学んだことを脳内で復習し、寝ながら自分の力を伸ばしているのです。

よく「全然勉強してないよ!」と言いながらあっさりと高得点を取る人がいるのも、この"記憶の定着"が関係しています。

しかし、ただ寝ていれば記憶が定着するかというとそうではなく、たとえ同じ睡眠時間でも、眠りにつく時間帯が違うだけで得られる効果は異なってしまうのです。 "寝ながら復習"の効果を高めるポイントは、午後10~12時の間に眠ること。練習や勉強の成果がなかなか出ない人は、まずは自分の睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。

写真:Thinkstock/Getty Images