精神のホメオスタシスを理解して、ネガティブな自分に打ち勝とう!

どんなにすごいテクニックを持つプロサッカー選手でも、PKの際にシュートを外してしまうことはよくありますが、もしアナタがPKのキッカーを任された時、どういった心境で順番を迎えると思いますか? その時、「外したら負ける」「自分の番まで回ってきてほしくない」など、ネガティブな気持ちでPKに臨んでしまうと、シュートを枠から外してしまうかもしれません。一方で、「決めたらヒーローになれる」「自分はこういうシーンで試合を決める"もっている男"だ」というポジティブな気持ちをもっていれば、練習と同じようにシュートを決めることができるはずです。

それではなぜ、ネガティブ思考の人がこのような勝負どころで良い結果をあげられないのでしょうか? その答えは、テクニックや身体能力が不足しているということではなく、メンタルの弱さが、その人自身の能力にブレーキをかけてしまっているからです。このような、その時の心境によって、持っている力を100%引き出せるかどうかが決まる心理的な性質を「精神のホメオスタシス(恒常性維持機能)」と言います。

この「精神のホメオスタシス」は、スポーツに限らず、プレッシャーや緊張に関わるあらゆる場面でとても重要な役割を担っています。仕事であれば、何日間も費やしてプレゼン用の資料を作りこんでも、「ちゃんと話ができるかな...」「うまく伝えられるだろうか...」と、ネガティブ思考になってしまうと、緊張や不安に襲われ、声の大きさや喋りのリズムが悪くなってしまうかもしれません。これとは逆に、「絶対にこの仕事はとれる!」とポジティブな気持ちで話をすると、自信があるような印象がその人への信頼感に結びつき、営業などでも大きな成績をあげることができるはずです。

とはいえ、元来ネガティブな人がポジティブになるのはとても難しいことだと思います。そんな、プレッシャーに弱く、すぐに緊張するネガティブ思考な人に有効なのが、ポジティブになるための「自分スイッチ」をつくること。ネガティブなことを考えそうになったら、自分を奮い立たせる言葉や平常心になるための決まりごとを用意することで、そういった場面でもポジティブに物事を考えられるようになれます。「あんなに練習したんだから大丈夫!」とメンタルを刺激するセリフを言ってみたり、勝負ネクタイを用意するだけでも、前向きな姿勢で物事に取り組むことができるはずです。これができたら、ネガティブに考えて失敗していたことも、難なくクリアできるようになるかもしれません。

写真:Thinkstock/Getty Images