2019.09.25.
知ってる?色々なスポーツのルール・トリビア ~ライフル射撃編~
■ ライフル射撃とは?
ライフル銃を使用し、10mから50m先にある固定された標的を撃ち、精度の高さを競う競技です。
弾丸に回転を与えて命中精度を高めるため、銃身の内部にらせん状の溝が切ってある銃が、ライフル銃と定義されています。
銃器の発達とともに15~16世紀のヨーロッパを中心に始まったと言われており、現在国際大会では、参加国数が陸上競技に次いで多く、世界ではとても人気の高いスポーツです。
■ ルールは?
10mエアライフル 立射
男女それぞれ、「50mライフル3姿勢」「50mライフル伏射」「10mエアライフル」の3種目があります。
・「50mライフル3姿勢」…片膝をついた姿勢から撃つ「膝射」、うつ伏せの状態から撃つ「伏射」、立った状態から撃つ「立射」の3つの姿勢から合計120発の弾を撃った合計点数(最大1200点=10点×120発)を競います。
・「50mライフル伏射」…伏せた姿勢から60発の弾を撃った合計点数(最大654点=10.9点×60発)を競います。
・「10mエアライフル」…立った姿勢から60発の弾を撃った合計点数(最大654点=10.9点×60発)を競います。
また、男女混合のミックス種目があります。それぞれの種目によって、競技時間や細かいルールは異なります。
■ どのくらいの距離から撃ってるの? 的の大きさは?
「10mエアライフルは、標的まで10mの距離から、直径4.55㎝で、中心が地上面から1.4mの高さの的を狙います。50mの標的は、直径15.44㎝、的の中心は地上面から0.75mの高さです。得点は、機械が自動で測定します。」
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左:使用する弾
右: 10mエアライフルの標的
■ ライフル射撃で使用する道具は、いくらくらいするの?
「銃器は40万円くらい、ウエア類10~20万円、シューズが5万円くらいです。練習の頻度によりますが、トップの選手だと2~3年で新しいモデルに買い換えます。」
・照門(リアサイト)と照星(フロントサイト)… 照準をあわせる部分です。照門と照星をあわせて的に照準を定めます。
・グリップ(銃把)… 握る部分です。すべて選手の手にあわせて調整します。
・引き金(トリガー) … 引き金を引いて、弾を発射します。
・銃床、床尾板 … 体と銃との安定性、射撃時の体への衝撃を緩和させます。
■ ライフル射撃を始めるきっかけは?
「高校、大学では部活があるので、そこから始める選手が多いですね。また近年は、各都道府県でライフル射撃の体験会も積極的に行っているので、その体験会をきっかけに始める選手もいます。」
■ ライフル射撃の競技をするにはが資格が必要?
「銃を所持するための資格が必要です。エアライフルやエアピストルなどの空気銃は18歳から、火薬を使用する銃は20歳からになります。しかし、世界大会や国民体育大会を目指す選手は、”年少エリート所持制度”で空気銃は14歳から、火薬を使用する銃は18歳から競技をスタートさせることが出来ます。そして近年では、”年少射撃制度”といって特定の指導者の銃器を使用して、許可の受けた選手が10歳から空気銃を使用しての練習が出来るようになっています。詳しくは、日本ライフル射撃協会のHPをご覧ください。」
■ 服装に決まりはあるの?
「これを着ないといけないというルールはありませんが、射撃時の姿勢保持をサポートしてくれるジャケットを着用する選手がほとんどです。ジャケットの仕様に関しては、レギュレーションがあります。他の射撃競技と比べて、ライフル銃は大きくて、銃を止める精度がより求められます。ジャケットを着たほうが安定性が高まるので、有利になると思います。」
■ ピストル射撃では、ジャケットは着用していませんが、その違いはどうして?
「ピストル射撃は、片方の手で銃を持ち、的も大きいです。それに比べてライフル射撃は、両手で銃を持つ必要があり、また的も小さく、より精度が求められます。いかに同じ姿勢を保てるかが重要なため、ジャケットを着用する選手がほとんどですね。」
■ ウエアの重さは?
■ ライフル射撃の見どころを教えてください!
「2020年東京大会では、男女一緒に競技をするミックス種目が採用されます。射撃は男女の競技レベルの違いがないスポーツなので、注目してほしいですね。また、近年のライフル射撃の大会では、DJをつけて音楽をかけながら試合を行っていて、“見せるスポーツ”になってきています。初めての方も楽しく観戦していただけると思いますので、ぜひ、一度ライフル射撃の試合観戦に行ってみてください!」
■ ライフル射撃日本代表として活躍する島田敦(しまだ あつし)選手にも、ライフル射撃の魅力について、お聞きしました!
「ライフル射撃の魅力は、競技に入り込んでいるとき、よくほかのスポーツでも言われる“ゾーン”に入っているときですね。自分の思い描いた通りに弾が飛んでいく感覚は、ライフル射撃をしていて、楽しいと感じる瞬間です。あとは、老若男女に関係なく、生涯競技を楽しむことできるのは、ライフル射撃含め、射撃スポーツの魅力だと思います。
この競技の魅力をもっと広めるためには、2020年東京大会でメダルを取ることが、重要だと思います。まずは出場できるように頑張りますので、応援宜しくお願いします!」
■ 最後に
今回の取材は、ライフル射撃のコーチ、選手の皆さんにご協力いただきました。
ミズノは、これからもライフル射撃の日本代表選手をサポートしていきます。