2019.09.19.

国際大会で導入されている器具を製作するセノーの工場に行ってきた!

 
国際大会で導入されている器具を製作するセノーの工場に行ってきた!

創業111年という長い歴史を持つスポーツ器具メーカーのセノー株式会社は、ミズノグループの一員であり、体操やバスケットボール、バレーボールなど競技スポーツ器具をはじめ、跳び箱やマットなどの体育施設器具、トレーニング器具などを製造しています。最近ではシンガポールや香港にも製品を輸出しており、トップ選手が集う数多くの国際大会でセノーの製品が使用されています。私たちが学生時代の体育の授業や部活で何気なく使用していた器具が実はセノー製だった、ということも少なくありません。今回、ミズノ発見隊は群馬県沼田市にあるセノーの工場(株式会社セノテック)を訪問し、製品の製造過程を見学してきました。

  • セノーの工場に行ってきた!
  • 工場はこんにゃく芋の畑やりんご園に囲まれていて、広大な敷地内に木工、鉄工、塗装など、様々な作業場が工程ごとに分かれて点在しています。ここでは社員の方がそれぞれの作業に従事しています。

最初にお邪魔した木工作業所では、体操競技の「ゆか」で使用するタンブリングパネルを製作していました。パネルを規定の大きさに切り出し、ジョイント金具やスプリングを固定するビス穴を開けるところまでは機械作業ですが、その先は手作業。ヤスリがけや金具・スプリングの取り付けが手際よく進められていきます。あっという間にパネルが完成し、同行した動画撮影班やカメラマンも「速い!」と驚いていました。

  • セノー工場 ゆかの製造工程
  • セノー工場 ゆかの製造工程
  • セノー工場 ゆかの製造工程
  • セノー工場 ゆかの製造工程

続いては縫製・仕上げの作業場。体操競技の「跳馬」や「平均台」に使用する皮革の裁断や塗装、「トランポリン」用の生地の裁断・縫製などをしています。ミシンを扱うこともあるこの作業場は、女性が活躍する場所でもあります。「あん馬」の完成品を見せてもらった際には、この製品に対する深いこだわりを教えてもらいました。

  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場

「あん馬」の表面に使っているのは国内大手皮革メーカーから仕入れた牛半身の一枚革。1台に1枚をそのまま使用するので、ある程度の大きさがあり、傷のない革でなければなりません。今回入荷した原皮40枚から「あん馬」に使用出来る合格ラインに入った皮革は3枚だけでした。 “特A品”の革を使用し、職人技をフルに活かして作っているのです。

  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場

鉄工の作業場では、鉄材の切断や成形、コンピュータ制御された機械での部品製造や溶接などの作業が行われていました。バスケットゴールの土台やトランポリンの枠、バレーボールネットの支柱などはここで製造されます。新入社員はまず溶接の作業を覚えます。その後、他の作業場へ異動し、ある程度の期間が経つとまた他の作業場へ異動になるそうです。様々なスキルを身につけておけば、大量注文などで特定の作業に多くの人手が必要になった際にもヘルプに入ることができ、作業の効率化を図ることができるからです。社員の皆さんは職人であると同時にオールラウンダーでもあるのです。

  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場

塗装の作業場では、トレーニング器具のウェイトへの塗装が行われていました。最近では塗料に使用する化学薬品への規制が厳しくなっていますが、セノーでも社内基準に沿った品質管理を行っています。その隣にある仕上げの作業場では、セノーの主力製品の一つである移動式バスケットゴールが完成に近づきつつありました。工場内で製作した様々な部品を組み合わせ、巨大なバスケットゴールができ上がります。溶接してつなぎ合わせるゴールボードを支えるアーム部分を間近で見ても、表面は滑らかで、溶接してあるようには見えません。職人の高い技術とこだわりが垣間見えました。

  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場
  • セノー工場 ものづくりの現場

見学後には西脇和則工場長にお話を聞きました。「各選手がパフォーマンスを最大限に発揮できるような器具を作っています。安心・安全も大事ですし、お客様からの要望や製品の設置作業チームからの情報など現場の声を聞き、松戸本社の開発本部ともやり取りをしながら、より良いもの、使い勝手のいいものを作るよう心掛けています」と製品づくりへの思いを語る西脇工場長。「セノーの製品なら間違いない」と各方面から高い評価を得ていますが、だからこそ「一つひとつの作業には絶対に手を抜けない」と気を引き締める部分もあるようです。

  • セノーの工場に行ってきた!
  • 「プレッシャーはかなりあります。大きな大会だけではなく、公共施設や学校、クラブなど、いろいろな場所で使用していただいていますから。たとえば『あん馬』は表面に天然牛革を使用しているので、100台作るとそれぞれ微妙に違います。新しいものと入れ替えた時に、選手が前のものと感覚が違うと感じないよう、なるべく違いが出ないように、職人が技術をフルに活かして作っています」

こだわり抜いて作り上げてきた製品が様々な場面で使用されているだけに、やりがいを感じることも多いそうです。

「いろいろな大会で使用していただいている様子をテレビなどで拝見したり、学校にお邪魔した時に弊社の製品があると、やはりうれしいですね。さまざまな場所で皆さんに使用していただいているということを実感すると、やりがいを感じますし、自負や誇りにもつながります」

今回の工場見学では、セノーのスタッフ一同どれほど真剣に、こだわりを持って製品づくりに取り組んでいるかを知ることができました。器具が壊れることなく、安心して使用できるのが当たり前に感じていましたが、その背景には製作に携わる方々の努力がありました。これからセノーの製品に触れる機会があった際には、今まで以上に大切に扱おうと思います。

セノーの工場に行ってきた!

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