国語

プロ野球選手たちの言葉から
やきゅうの魅力を学ぶ

やきゅうは「言葉」で強くなる。

言葉には、人と人をつなぎ、人を強くするパワーがあります。
野球においても、言葉はとても大切なもの。
エラーした仲間をはげます「かけ声」や、帽子のツバに書いた「座右の銘」、チームをひとつにする監督の「ゲキ」。
仲間を支えるのも、自分を強くするのも、チームをまとめるのも言葉があってこそ。
やきゅう学校の国語では、プロ野球選手たちが大切にしている「言葉」を紹介し、うまくなるための考え方や、野球選手としての心の持ち方、人として大切にすべきことを考えま す。

《応援》仲間をはげます言葉

《応援》仲間をはげます言葉

「ドンマイ!」という言葉をかけるだけで、エラーした選手は気持ちを切りかえることができるかもしれないし、「ぜったい打てる!」と声をかけるだけで、その選手は集中力を高められるかもしれません。チームメイトにパワーを届けるのは、心のこもった「言葉」なのです。

《応援》仲間をはげます言葉

《団結》チームをひとつにする言葉

《団結》チームをひとつにする言葉

やきゅうはチームスポーツ。プレイヤーひとりひとりの心がバラバラだと、試合にも勝てません。勝つために大事なのは、チーム一丸となって戦うこと。「この回逆転するぞ!」と円陣を組むナインに向けて、監督やコーチがかける言葉は、チームのムードを変えてくれるのです。

《団結》チームをひとつにする言葉

《応援》仲間をはげます言葉

《勇気》自分を強くする言葉

プロ野球選手のなかには、「座右の銘(ざゆうのめい)」という「自分の好きな言葉」を帽子のツバに書き、ピンチのときやつらいときに見て、心を強く持とうとする選手もいます。ケガをしたときや、試合でうまく活躍できないときに、「言葉」が救ってくれることもあります。

《応援》仲間をはげます言葉

プロ野球選手たちの「やきゅう言葉」から学ぼう

前田 健太 先生の言葉

今の自分はまだ
全盛期じゃない。

「今より成長できる」って楽しい!

「今より成長できる」って楽しい!

これはボクの失敗談から生まれた言葉です。2010年のシーズンはすごく成績がよくて、その年に「これでいいや」と思ってしまったのですが、次の年は全然ダメでした。
「現状維持」と思った瞬間に成長は止まるんだなあと思いました。それ以来いつも、「今の自分はまだ全盛期じゃない」と言い聞かせて、毎年毎年「来年を一番いいシーズンにするぞ」という気持ちで挑んでいます。
日々の練習も「今より成長できる」と思って取り組めば何も考えずにやるよりも頑張れると思いますし、何より楽しくなりませんか?今の自分を維持しようと気持ちがしんどくなると思うんです。それを、「今より良くしよう」とプラス思考で考えることで、ワクワクに変えてしまうんです。勉強もいっしょだとボクは思います。「今の成績をキープしよう」と思うよりも、「もっといい点数を狙おう」「もっといろんなことを知ろう」と思ったほうが楽しく勉強できるはず。
気持ちの持ち方次第で、成長のチャンスは無限にあります。キミの全盛期は、まだまだ先にある!

年を重ねるほどに「新しく」なれる

年を重ねるほどに「新しく」なれる

ボクはあまり自分で限界を決めませんし、年齢的なことにもあまりとらわれていません。
むしろ、人間は経験が増えるほどどんどん成長できると思っているので、年を重ねるごとに全盛期をどんどん更新していけるとも思っています。
「過去が一番良かった」と思ったり、過去のことばかりを語ったりするのではなく、いろんな経験をした上で「今がいちばん充実している」という生活を送れることが、人としてベストではないでしょうか。
「今の自分は全盛期じゃない」という言葉は、野球だけじゃなく人生にも当てはまると思います。

やきゅう言葉の辞書
~意味を考えてみよう~

# 全盛期

最も良い状態、ピークを迎えた時期のこと。最盛期ともいう。プロ野球選手などにおいては、最も良い成績を上げた時期などに使われる。
通常は、肉体的にも精神的にも充実した20代後半~30代前半に該当することが多いが、中には晩年に「全盛期」を迎える選手もいる。
常に向上心をもってチャレンジしつづける限り、気持ちの面では全盛期はいつだって迎えられるものなのだ。

クイズで考えてみよう①

前田健太選手が大事にしていることはどんなことでしょう?

  • A

    今がいちばん大事だと思うこと

  • B

    今より成長できると思うこと

  • C

    今からはじめても遅くないと思うこと

クイズの答えは B です

AからCまですべてが大事なことですが、そのなかでも前田選手が特に大切にしているのはBの「今より成長できると思うこと」。それは前田選手の座右の銘「今はまだ全盛期じゃない」という言葉にも表れています。メジャーリーグで活躍する選手であっても、現状の自分に満足することなく、常に努力し続けることで成長していくのです。

大竹 寬 先生の言葉

読売ジャイアンツ

泥臭く、粘り強く、丁寧に。

どんなときでも「丁寧に」立ち向かおう!

どんなときでも「丁寧に」立ち向かおう!

僕がピッチングにおいて大事にしていることは、この三つの言葉です。「泥臭く、粘り強く」というこの二つは普通に考えることだと思うのですが、最後の「丁寧に」というのが一番大事だと思っています。
「我武者羅にやって諦めずにやる」だけではなくて、「集中を切らずに最後まで丁寧にやる」ということもとても大切だと思います。
なかなかできないですが、これを意識して投げるようになってから、結果が上向くようになりました。「泥臭い」と「丁寧」という言葉を比べると正反対のイメージに思えますが、強い気持ちに加えて冷静さも必要だということ。根性論だけでいきそうなところをぐっと抑えて、冷静に丁寧に立ち向かう。
高いパフォーマンスを発揮する上では、その両立が大事だと思っています。

やきゅう言葉の辞書
~意味を考えてみよう~

# 丁寧ていねい

細かいところや小さなことにまで気を配ること。または、注意深く時間をかけて物事と向き合うこと。野球はサッカーやバスケットボールのように、試合時間が決まっているスポーツではないので、その分、ピッチャーはひとつのプレーに時間をかけることができます。パワーや気持ちだけではなく、一球一球と丁寧に向き合うのも、プレーの質をあげるポイントかもしれません。

クイズで考えてみよう①

大竹寬選手が大事にしていることはどんなことでしょう?

  • A

    泥臭さ

  • B

    粘り強さ

  • C

    丁寧さ

クイズの答えは C です

Aの「泥臭さ」=「強い気持ち」も、Bの「粘り強さ」=「最後まで諦めないこと」も、もちろん大事です。
しかし、大竹選手が一番大切にしていることは、「泥臭さ」や「粘り強さ」に加えて、集中力を保って冷静に立ち向かう「丁寧さ」を持つことです。丁寧に挑むことが、高パフォーマンスにつながります。

内川 聖一 先生の言葉

福岡ソフトバンクホークス

自分の弱さを認める。
それが強さの
原点になる。

「今より成長できる」って楽しい!

「苦手」を認めることが、上達への第一歩!

僕は公立高校出身で甲子園にも出ていません。それがコンプレックスでした。プロに入ったときは、「すごい世界に入っちゃったなぁ…」というのが正直な気持ちでした。
怖さだったり、不安だったり、いろんな気持ちがありました。でも、不安なのも怖いのも自分。弱い自分を認めた上で、やるしかないかなと。変に強がらないことが大事だと思ったんです。
誰だって、自分の苦手な所を見せたくないですよね?「アイツはああいうところが苦手なのか」とか、「あんなこともできないのか」とか思われるのはイヤだと思うんです。でも、野球が上手くなるためには、「自分はこういうプレイができないんだ、苦手なんだ」と認めたうえでやるしかない。自分の弱さを素直に認めた方が人から言われたことをきちんと聞けますし、上手くなるのも早いと思います。
「そんなこと言われなくてもわかってるよ…」と反発しているようじゃダメだと思います。監督コーチは自分のことを思ってアドバイスしてくれているので、それを自分のなかで理解しようとしないといけません。
得意なことはやりたいけど、ダメなことや苦手なことからは離れたいと思うのは普通のことです。それでも、結果を出すためには、苦手なことにも素直に向き会わないといけないと僕は思います。

やきゅう言葉の辞書
~意味を考えてみよう~

# 原点げんてん

長さを測る場合にスタートとなる点や、物事を考えるときの出発点のこと。何かに悩んだときに、もともとのスタート地点に立ち返ることなどを「原点回帰(げんてんかいき)」と言う。
野球においては、ピッチャーが外角低めにストレートを制球できる能力のことを「原点能力(げんてんのうりょく)」とも。

クイズで考えてみよう①

「苦手」なことがあったとき、内川選手はどうするでしょう?

  • A

    苦手なことはしない

  • B

    素直に認める

  • C

    できるふりをする

クイズの答えは B です

答えはBの「素直に認める」です。「苦手」な自分に素直に向き合うと、自分ができないプレイに集中して練習することもできるし、人からのアドバイスもきちんと聞けるので、野球の上達につながります。
苦手なことから逃げたり、強がってできるふりをしていると、いつまでたっても上手くなれません。

田口 麗斗 先生の言葉

読売ジャイアンツ

初心を忘れちゃいけない。
登板できることは
当たり前なんかじゃない。

すべてのチャンスに感謝する気持ちを大切に!

すべてのチャンスに感謝する気持ちを大切に!

僕は以前、一軍で投げられるようになった後に、二軍に落ちたことがありました。その時、自分のなかでは「一軍に上がれるんだろうな」というような感覚で投げていたので、当然ファームでも全然結果が出ませんでした。
自分のどこかに「一軍で投げられることが当たり前」だと思っていた部分があったと思います。一軍のマウンドに上がるということは、自分だけの力じゃできません。いろんな人の支えや応援があり、人との関わりも含め、それに対する感謝の心があってはじめて、マウンドに上がるという機会がもらえるんだと思います。
マウンドに上がるということは、自分だけの力じゃない。チャンスがもらえるということも、自分ひとりでできることじゃない。すべてのチャンスに感謝する気持ちは常に大切だと思います。

やきゅう言葉の辞書
~意味を考えてみよう~

# 初心しょしん

初心とは、はじめて何かと向き合ったときや、最初に思い立ったときの純真な気持ちのこと。「初心を貫く」や「初心に返る」という風に使うことが多い。
野球をはじめた時のワクワクする気持ちや、はじめて道具を手にしたときのドキドキ感は、長い時間がたつとついつい忘れがち。壁にぶつかったときは、もう一度「初心に返る」ということも大切かもしれません。

クイズで考えてみよう①

結果を出すために、田口選手が大切にしていることは何でしょう?

  • A

    自分の力だけを信じる

  • B

    できることが当たり前だと思う

  • C

    チャンスに感謝する

クイズの答えは C です

答えはCの「チャンスに感謝する」です。たとえば「一軍で投げられていること」など、自分の状況について当たり前と思ったり、自分ひとりだけの力だと思ったりせずに、そのチャンスをもらえているということにきちんと感謝をすること。すべてのチャンスに感謝の気持ちを持てば、おごらずにどのチャンスも大切にして、それが結果につながります。

菅野 智之 先生の言葉

読売ジャイアンツ

自分だけの時間で、
頑張れる選手が伸びる。

自分の時間も野球のことを考えて使う!

自分の時間も野球のことを考えて使う!

みんなの練習はみんなで練習するわけなので、ひとりの時間の使い方こそが大事です。
他人に見えないところで、どれだけ頑張れるか。僕の場合なら、ストレートのスピンをさらにきかせるために、指先の力を鍛えるトレーニングを自分の時間でおこなってきました。
トレーニングはもちろんですが、もっと基本的なことでいくと、「生活の過ごし方」もとても大切だと思っています。例えば私生活。僕は、「食事・睡眠・入浴」この3つを必ずしっかりとるようにしています。生活の基本的なことをしっかりとすることが大事です。そうじゃないと野球の練習にも身が入らないと思います。普段の当たり前のことを頑張れない人は、野球でも頑張れないと思うので。
本当に上手くなりたいと思ったら、野球の時間だけではなく、生活の時間も野球のために使える覚悟が必要だと思います。

やきゅう言葉の辞書
~意味を考えてみよう~

# 頑張るがんばる

「頑張る(がんばる)」の意味は、苦労や困難にもめげずに我慢してやり抜くこと。ちなみに、「頑張る」という言葉の由来は、「眼張る(がんはる)」だとも言われています。「目をつける・見張る」といった意味から「一定の場所から動かない」という意味になり、それが今の意味になったという説があります。菅野選手が言う「自分だけの時間で頑張れる選手」というのは、「自分がやるべきことに目をつけられる選手」という意味もあるのかもしれません。

クイズで考えてみよう①

上手くなるために菅野選手はどうしているでしょう?

  • A

    みんなとの練習も、ひとりの時間も大切にする

  • B

    みんなとの練習だけを大切にする

  • C

    みんなとの練習よりも、ひとりの時間を大切にする

クイズの答えは A です

答えはAです。みんなとの練習を大切にするのは当たり前ですが、それだけでは人よりも上手になることはできません。自分の時間で自分に必要なトレーニングをすることが肝心です。また、食事や睡眠などの生活の基本も大事にしないと、練習に身が入りません。ひとりの時間を大切にすることが、上達につながります。