岡部文彦さん

52 Travelers

スタイリスト

岡部文彦さん

旅とは、

行き当たりばったり!?

「感覚マップ」が頼りの車中泊の旅。

スタイリストとして収入を得られるようになった20代のころ、仲の良い友人たちとハイエースに乗り込んで車中泊の旅に出かけるようになりました。今だったらスマホで調べればどこへでも行けるけど、当時はGoogleマップもない時代。目的地を決めたらひたすら走って、道中で気になる看板を見つけては「次はあっち行ってみよう」「こっち行ってみよう」という感じで、いわば自分たちの「感覚マップ」を頼りに、日本全国いろんなところへ旅していました。もちろんトラブルもあったし、楽しいことばかりではないんですけど、後々振り返ってみると結局は全部が楽しいんですよね。ハプニングも含めて思い出になる。色々決めすぎずに感覚にまかせて動くことで起こる予定外なことや、偶然の出会いを楽しむのが旅の醍醐味のひとつだと思うようになったのも、このころの旅がきっかけですね。

「見る」ではなく「視る」こと。

子どものころからそうだったんですが、僕は普段から風景を見て気になったものはとりあえず確認するんですよ。草っ原になにげなく落ちているゴミが気になったり、咲いている花が気になったり、それにくっついている虫がいたら「この虫何だろう?」って観察したり。都会のコンクリートの隙間から生えている草花とか、名前もわからない雑草なんですけど、そういうものが気になったりするんです。で、それはすべて感覚でやっていることだから、たぶんそれって旅と同じなんじゃないのかなって思うんですよね。旅の途中で目に入った変なフォントの看板が気になって、これは絶対面白そうだ!と思って行ってみたりするのも僕にとっては同じこと。もちろん、行ってみて当たりはずれはどちらもあるけど、とりあえずそれを見に行く。「見る」というのも、僕は文章を書くときにもよく意識して使っているんですが、ただの「見る」じゃなくて「視る」ということ。ただ単に視覚情報として捉えるんじゃなくて、周りの風景との関係性や存在感なども含めて感じ取りたい。その感覚を持って旅もしているし、日常生活においてもそれは意識していますね。養老孟司先生の本でも「概念と感覚」が対比して書かれていたんですが、現代人には「感覚」が足りないらしいんです。今って情報が多いから、概念で動いている人が多くて感覚的に動いている人が少ないと。言葉=概念らしいので、情報を言葉としてキャッチすると、理解したつもりになってそこで終わってしまうらしいんですよ。それってもったいないことじゃないですか。だから感覚が大事だよっていうのは、すごくハッとさせられることでしたね。自分の感覚を大事にするということは、常にアンテナを張っている状態に近いのかもしれません。そうすることで面白そうなことを自然とキャッチできるようになる気がしますね。

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昔と同じ感覚で、
行き当たりばったりを楽しむ。

20代の車中泊からはじまって、家族でキャンプに行ったり、一人で山に登ってテント泊をしたり、これまで色々やってきたんですけど、今また興味の矛先が車中泊に戻ってきています。もちろん飛行機や新幹線を使って行くのもいいんですけど、僕はやっぱり自走で行くのが好きですね。車移動だと思いつきで行動できるのが魅力だし、なにより旅をしている体感が全然ちがいます。目的地がだんだん目の前に見えてきた時の、あの「来たー!」って感覚は車の旅じゃなきゃ味わえないですからね。だから今も車中泊の旅をする時はGoogle マップとかは使わず、昔と同じ感覚で、行き当たりばったりを楽しむようにしています。僕は旅に限らず、アウトドアにしてもひとつのカテゴリーやジャンルに没頭してやり続けるタイプじゃなくて、雑誌のGO OUTでやっている「SOTOKEN」っていう連載もそうですけど、そのときに興味を持ったいろんなものに手を出したいので、そうやって感覚にまかせて動くのが僕にとっては一番楽しい旅のスタイルですね。人それぞれの旅のやり方ってあるし、しっかり事前に計画を立てて行く旅も羨ましいなあって思ったりする部分もあるんですけど、僕の場合は無理して計画を立ててということはあまりやらないですね。旅ってその人にとっての癒しや楽しみを求めて行くものだから、やっぱり自分の性格に合わせて自然体でいられる方法でやるのが一番なんじゃないかな。

地元・岩手のことをもっと知りたい。

数ヶ月前に東京から移住して岩手に住み始めました。岩手って広いんですよ。北海道に次いで面積が広くて、四国と同じくらいあるんです。かと言って、長野みたいにすごく険しい山があるわけでもないから、県内全域に道が網の目のように張り巡らされていて、車中泊の旅には最高なんですよね。僕は岩手で生まれて18歳までしか住んでいないので、地元といっても、実家の半径20キロ位の範囲しかまだ知らないわけで.....。なので、これからもっと地元・岩手のことを知りたいと思っています。今は車もあるから、行ける範囲も半径100キロ以上まで広がったし、とにかく県内の行ったことのない土地をあちこち旅して、自分が知らない岩手の魅力を発見したいですね。当然生まれ育った故郷だから、元から岩手のことが大好きだったけど、大都会東京に26年住んだし、もう都会はお腹いっぱいだなと思いました。他の県への移住も考えましたが、やっぱり四季を感じられる岩手に住むのが一番魅力的だなと。北東北を選んで住むようになってから、またさらにみちのくの魅力に気づいたばかりなので、まだまだ知らない場所がいっぱいあることにすごくワクワクしています。

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1976年岩手県生まれ。メンズファッション誌を中心にスタイリストとして活動していた。さまざまなアウトドアメーカーとの企画開発や、自身でも農園芸ワークウエアブランド「HARVESTA!」のデザインも手掛けるなど、スタイリストの肩書きを越えて活動中。アウトドアファッション誌「GO OUT」にてコラム「SOTOKEN」を連載中。

岡部文彦さんの旅の必需品

どこへ行くときも超軽量のバックパックに釣竿とリールは必ず入れて持っていきます。釣った魚を捌いたり調理したりするのに必要な道具は、岩手の竹細工「文庫籠」に入れて持ち歩きます。

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極寒地に行くカメラマンのために作られたジャケットの復刻版ということですが、当時のモデルから現代版にアップデートされているポイントがいろいろあっておもしろいですね。2006年当時にはなかった機能を今だからこそ付けられているっていうところにくすぐられます。僕自身も「HARVESTA!」という農園芸ウエアを作っていて、ひとつのものをアップデートしていくことは、ものづくりをやるうえで大切にしていることなので、そこにとても共感できました。

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ABOUT

旅先でいちばん見たかったのは、
いつもよりアクティブになった私でした。

旅の服を選ぶことは、旅に連れていきたい自分を選ぶこと。
心地いい服は、どんなガイドブックよりも私を連れ出してくれる。
行ったことのない場所、見たことのない景色。
そこで出会えるのは、いつもより、少しアクティブになった自分。
新しい出会いは、日常の一歩先で待っている。
さあ、出かけよう。
きょうは、どんな一日になるだろう。

遊べる大人の、トラベルウエア。

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