ヨーコゼッターランドのアドバイスコーナー

ヨーコゼッターランド

プロフィール
1969年サンフランシスコ生まれ。6歳から日本で育ち、中学、高校時代は全国大会や世界ジュニア選手権で活躍。 早稲田大学卒業後に渡米し、アメリカナショナルチームのトライアウトに合格。 アメリカ代表として、92年バルセロナ五輪で銅メダル獲得、96年アトランタ五輪で7位入賞。97年、ダイエーオレンジアタッカーズ(現久光製薬スプリングス)とプロ契約、99年6月の引退まで、数々のタイトルを獲得した。 現在は指導者として、テレビ、ラジオ出演のほか、講演、解説、バレー教室、エッセー執筆など幅広く活動している。

パス・トスについて

トスが正確に上がりません。練習方法を教えてください。

セッターの方からトスが正確に上がらないという質問もよく受けます。まずはトスアップをする際、きっちりレシーブボールの下に入っておらず、不充分な状態でトスを上げていないか考えてみてください。次に、ボールが上がってからセッターの仕事が始まると考えるのではなく、サーブが打たれた瞬間からどうやって対応するか考えながらプレーしてみましょう。
1.基本姿勢でサーブレシーブを待つ
2.相手サーブの種類(フローター・ジャンプサーブなど)と味方レシーバーの技術力から、このサーブで味方のこのプレーヤーがレシーブするならこのあたりに返球される、とサーブレシーブボールの返球先まで読む。質問の方がレシーバー出身なのでレシーバーの気持ちや返球のボールに質なども分かるのではないか?と思います。今までの経験を生かして下さい。
3.サーブレシーブの返球、自分の実力、どのポジションにどれだけの能力があるアタッカーがいるかを考えながら、無理の無いトスは?スパイク決定の確立の高いそのアタッカーの好きなトスは?など先を考える。 それと、どんなレシーブボールでも必ずオーバーハンドでアタッカーの打ちやすいトスを上げるんだという強い気持ちを持つことが大事です。

基本練習方法としては、
1.まずボールの下に入る練習として、サッカーのヘディングをやってみる。
2.次に直上トスを自分一人で連続してやってみる。この時、トスは自分の頭上1.5~2mぐらいに上げるよう心がける。続けて100回ぐらいを目標に。
3.指先の強化と下半身をきっちり使ってパスができるようにするため、9mロングパスの練習をする。
4.ネットをサイドにセットアップのホジションでコーチにレシーブボールを投げてもらい、レフト・ライトへトス。
5.「4」で本当にレシーブボールでトス(セッターがレシーバーに向けてボールを打ち、その返球)
6.「4」でアタックライン上から移動してトス
7.「5」でアタックライン上から移動してトス
8.レフトやライトの位置に目標物をおく。例えばチームメイトに台の上に立ってもらい、腕を伸ばして上げたトスをとってもらう(ポートボールの要領で)。ただ漠然と回数をこなすのではなくて、例えば10本中6本クリアしたら次のステップに進むというように目標を持ちながら繰り返し練習しましょう。

なかなか上げたい所に行きません。どうしたら同じ位置に上がりますか?トスの高さはいいのですが、位置がアンテナの外へ行ったりネットから離れてしまったり、なかなか上げたい所に行きません。どうしたら同じ位置に上がりますか?

トスはパスの延長のプレーです。まずは基本に戻って「対人パス」から始めましょう。同時に、上記で紹介しました「オーバーハンドパス」の基本の練習を繰り返し行い、その後ネットを使ってセットアップからのトスの練習を始めてください。
(1)「パス力」をつけるためにロングパスをする。回数を決め(例 30本~)、徐々に増やす。
(2)ネット寄りにセッターの位置で、コーチの方に簡単なパスを入れてもらいオープン・バックトスを繰り返す。
(3)アタックライン上からネット寄りのセッターの位置へ移動してトスをする。(後衛のポジションと想定して。)
(4)ブロック動作後、セッターの位置へ移動してトスをする。(前衛のポジションと想定して。)
(5)レシーブボール返球から移動してトスをする。
(6)レフトやライトの位置に台を置き、人を立たせて(ポートボールのゴールのように)、ターゲットに向け、トスをする。このときのトスは、スパイク地点が頂点になるよう山をつける。(※釣鐘型のトスにならないよう注意。)
実践に近い想定でトス練習を進め、それぞれの練習でアタッカーを参加させての練習も行って下さい。レシーブされた返球の落下地点をすばやく判断し、ボールの下に入り、基本動作のトス練習を繰り返し行ってください。アタッカーにもトスの状況を確認し、チームに合ったトス、アタッカーが打ちやすいトスを目指して頑張って下さい。

オーバーハンドパスの基本を教えてください。

1.基本動作
構えは足は肩幅よりやや広くどちらかの足を半歩前に。ヒジを耳の高さにし、手の平はおでこの前で三角を作る。ヒザを軽く曲げやや前傾姿勢になります。パスは前から来るボールを前に飛ばすプレーです。必ず、前傾姿勢をとって下さい。
2.基本練習
「1.」の姿勢でリラックス・軽くフットワークをしながら
(1)近距離の対人パス~中間距離~ロングパス(約5分ずつ)
(2)3名~5名で9m移動パス(5分)
(3)3名で三角形を作り(約3m~5m)、離れてパス(5分)
(4)ネットを挟んで近距離・中間距離の対人パス(5分)
(5)コーチがネットの向かうにいてボールを出し、各ポジションからセッター位置へパス(5分)
必ず、ボールに落下地点に入り、「1.」の姿勢で相手またはセッターに返球する。その際、相手・セッターに届くまでしっかりフォローの姿勢を忘れない。
また、周りの状況、アタッカーのサイン、自チームの攻撃、相手チームのブロックの状況などを想像してパスの際に必ず「声」出す事に心がけてください。良いパスが入れば速攻・コンビプレーが使え、味方に有利に働きます。声を出して元気にパス練習して下さい。飽きてくる練習ですが、色々アイデアを出して基本のプレーをおろそかにしないようお願いします。

ボールが手に入らずに、はじく感じできれいに上がらないのですが、良い方法はありますか?高校2年生です。セッターをしているのですが、オーバーがドリブルになることが多いです。

現在セッターポジションという事で中学生からだとすれば3~4年のセッター経験者と想像します。

ドリブルが多く、手に入りづらいというのは、レシーブされた返球の落下地点に入らずに、きっちりセットアップの状態でトスが行われていないのではないでしょうか?

3年の経験者なのでトスフォームに関してはほぼ完成されていると思われますが、実践のプレーを細分化して、色んなケースでのトスの反復練習が必要ではないでしょうか。
練習方法としては、
(1)まずボールの下に入る練習として、サッカーのヘディングをやってみる。
(2)次に直上トスを自分一人で連続してやってみる。この時、トスは自分の頭上1.5~2mぐらいにあげるよう心がける。続けて100回ぐらいできるようにする。
(3)指先の強化と下半身をきっちり使ってパスができるようにするため、9mロングパスの練習をする。
(4)ネットをサイドに、セットアップのホジションでコーチにレシーブボールを投げてもらい、レフト・ライトへトス。
(5)(4)で本当にレシーブボールでトス(セッターがレシーバーに向けてボールを打ち、その返球)。
(6)(4)でアタックライン上から移動してトス。
(7)(5)でアタックライン上から移動してトス。
この練習を数多く反復練習することです。

 

また平行してトレーニングで腕や指の力を付けてください。
(1)軟式テニスボールを握って握力をつける。
(2)バスケットボールやメディシングボールでパスし、腕全体の力を付ける
などです。
最後に、どんなレシーブボールでも身を挺してオーバーパスでアタッカーの打ちやすいトスをあげるんだという強い気持ちでセッターとしてコートに望んで欲しいものです。そうすれば自信につながり、ドリブルのことなど考えることが無いように思われます。


ジャンプトスをマスターしたいのですがどのような練習をしたらよいでしょうか?

ジャンプトスは一番高いところでキャッチし、相手ブロッカーを引きつけてトスを上げるというのが最高のプレーです。初めはそのことを考えずにタイミングをとる練習を繰り返し行い、その後、ネット際でトスの動作からの練習へ、そしてセッター練習へ移行して下さい。
《練習方法》
(1)2人1組で一方がやさしいボールを投げて、もう一方がジャンプトス。
(2)2人1組で30cmくらいに近づいて連続ジャンプトス。
(3)2人1組で3mくらい離れて連続ジャンプトス。
(4)ネット際で3人1組(レフト、センター、ライト)となってジャンプトス。センターの位置にいる人はパスをしたら必ずパスした方向にふりむくこと。センターの人はバックトスをすることになる。本数を決めて交代する。
(5)ジャンプトスをするときの注意点は、必ずスタンディングジャンプの感覚で跳ぶこと。自分がトスをするということより、「攻撃をする」つもりでジャンプしてください。
(6)直上連続ジャンプトス。
(7)ネットを使って、セッターの位置でジャンプトス。(コーチにパスを入れてもらい)レフト・ライト・センターと使い分ける。
以上が基本練習ですが、まずはボールの下に素早く入り、80%くらいのジャンプでトスを上げることを重視して練習して下さい。
専門的になりますが、相手ブロッカーを引きつけるため、わざとジャンプのタイミングを変えてみたりと奥が深いプレーです。巧い人のプレーをマネして巧くなるのも良い方法ですよ。セッターの究極のプレーですから。

なかなかバックトスが上げれません。どうしたら上げることができるんですか?

バックトスはまず 直上トスがしっかり安定することです。 
基本練習を繰り返し練習すること。そして 「バックトス」は前に上げるオープントスより距離が短いトスです。 しっかりしたトスアップの姿勢・レシーブボールの落下地点に入り額の前でボールをキャッチする体勢を早く作ることです。バックトスで気をつける点より、まずトスそのものの完成度を上げることですね。
あとは手首と肘の開く角度に応じて 高さ・距離・速さを調節します。

上記の練習を数多く、またアタッカーとのコンビになるプレーですからアタッカーとの息を合わせて下さい。

自分の思っているところにボールがいかなかったりします。良い解決方法はないでしょうか?

しっかりトスアップの状態でプレーが出来ていますか?5本の指全てを使い、レシーブ・パスボールの落下地点にいち早く準備できていますか?セッター、トスは指で行うものでは無く、下半身の使い方(移動)が重要です。手で操作することばかりが眼中にありませんか?サイドステップ・クロススッテップなどの移動のステップ練習を数多く行うことです。「足でトスを上げる』という感覚ですね。数多く練習してくださいね。

ジャンプをしてしまう癖はどうしたら直りますか?私は高1で、ポジションはセッターです。今までちゃんと上げることばかり考えていて、そのせいか、オーバーの時に(ボールと一緒に)ジャンプする癖が付いてしまいました。その癖で、ボールが安定しません。でも、直そうと思って、ジャンプをやめるとタイミングがわからなくなったりして、ボールがちゃんと上がってくれません。ジャンプをしてしまう癖はどうしたら直りますか?

ご質問の方はきっとロングパスや高いオープントスを多用するチームのセッターと思われます。身体全体を使わないとその高さに届かないのでは?と思います。

やはりジャンプするとトスに安定性がなくなってきますね。

ネットを使ってセッターの位置からコーチに連続でパスボールを入れてもらい、オープン、バックトスの連続での練習を毎日行うしかありません。

数でトスフォームを確立することです。私も人の何倍もトスの練習をしました。

また 腕・指の筋力の強化のトレーニングも並行して行って下さい。

腕立て伏せ、テニスボール握りやバスケットボール・メディシングボールなど重量のあるボールのキャッチボールやパスなど。

上記の練習を焦らず継続して下さいね。

柔らかいトスを上げるにはどうしたらいいですか?

味方のアタッカーが打ちやすい柔らかいパスを出すということは心がけとしても、実際のプレーとしても大切です。特別なことをしようとするよりも、基本に帰るという気持ちで練習してみてください。
まずは、
1.手だけ、手首だけでトスしていないか 
2.ボールの落下地点に入らず、セットアップの悪い状態でトスをしていないか
チェックしてみてください。もし問題があるようであればすばやい移動ができる基本の構えになっているか再度チェックしてみてください。 
1.足は肩幅の広さで。どちらかの足は半歩前。 
2.膝が足の指の延長線上より前に出るよう軽く曲げる。 
3.肘は耳の高さに。 
4.額の前に三角を作る。そして、軽くフットワークができるようリラックスする。 
そして、ボールの落下地点に早く入り、膝を使って手のひら・5本指でしっかりボールを捕まえてトスしてください。 
慌ててプレーすることと素早いプレーはまったく違います。素早い動き、つまり次のプレーに対して早く準備することで、落ち着いてトスを上げることができると思います。そうすれば柔らかいトスになると思います。
基本練習は大変かもしれませんが、頑張って練習してください。