MIZUNO

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京都府生まれ、強豪東山高校にて鍛え上げられたフィジカルとメンタルを携えて、早稲田大学へ入学。
全日本大学総合にてベスト4入りを果たすと、その功績を認められNT候補に抜擢。その後、2014年全日本大学総合(個人の部)での3位入賞を皮切りに、同年、全日本学生選抜選手権にて優勝、翌年、世界選手権代表に選出されると、その後数々の強豪相手に、好成績を収め続けた。

大島祐哉

とりわけ身体能力の高い彼が得意とするダイナミックなフットワークを生かしたドライブ攻撃型それが大島祐哉のプレースタイル。
だがそれだけでは、世界の壁はあまりにも大きかった。更なるフィジカル強化はもちろん、台上での繊細なテクニックと駆け引きは不可欠な要素として彼の中で滞り始め、いつしかその焦燥は、日に日に大きく膨れ上がっていった。 そんな現状を打破するべく出口の見えない技術面の向上に一心不乱に取り組んでいたそんな時、ある一人のアドバイザーからの助言が、ふと彼の足を止めた。

「ラケットが飛びすぎている、
(台上の)細かい技術が欲しいなら一度木材を試してみたら?」

しかし、選手が自分の手の延長ともいえるラケットを変えるということは、 これまで培ってきたプレースタイルそのものを構築しなおすということ、 並大抵の覚悟で通しきれるものではない。 だが、その覚悟以上のものが、世界を見据えもがき続けた彼の中で芽生えた瞬間だった。

7枚の木材

木製ラケットは、カーボンや特殊素材の入ったものに比べると、どうしても「弾き」が落ちてしまうのは否めない事実である。だが、その犠牲を払ったとしても手に入れたいものがある。それがフィーリングだ。フィーリングが生み出す的確なコントロールこそが、大島祐哉にとって世界の壁に手をかけるためには、必要不可欠な要素だった。
とにかく一歩、前に踏み出す為、決意を新たに木材ラケットの調整の日々が始まった。

もともと7枚合板を使用していたということもあり、違和感はそれほどなかったという。そんな中、数種の提案されたラケットの1本、それが「フォルティウスFT」だった。

このラケットは「鋭い弾き」と「安定した弧線」を快適な打球感とともに高い次元で両立させるというコンセプトの元に、ミズノが作り上げたものである。7枚合板のパワーに正確なコントロールを加えるフィーリングを兼ね備えた理想を目指すべく、たどり着いたひとつの形。「ドライブでもミートでもスピードがありながら安定した弧線を描く」ラケット。それは、フィーリングにおいては打ちこんだときは力強さを、台上ではデリケートなタッチを再現し技術の幅を広げるということにもつながる。求められた課題に対し、まさにうってつけのラケットであった。

手に入れたもの

フォルティウスFTは、3種の木材が7枚で構成されている。

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その中の一つに「檜」がある。檜とは、木目が細かくゆがみや縮みが少ない上に弾力性の高い木材。薄くスライスされた状態の檜は、強さはそのままに「しなやかさ」が際立ち、しっとりとした打球感を生み出す。フォルティウスFTのコンセプトは、「弾き」を保ちつつ、台上での正確なコントロールに不可欠なフィーリングを求めた彼にうってつけのラケットであったと確信している。打ち込む度に、理想に近づいていく彼が語ってくれた言葉の中にも「台上のフィーリングが以前より良くなり、飛びすぎないで食い込む感じが出て回転もかかるようになった」とのコメントもあった。とはいえ、特殊素材に比べ「弾き」が犠牲になったのも事実。
しかしその犠牲は「体を鍛えることでカバーできる」という言葉と共にこれまで以上に貪欲にフィジカル強化と向き合う機会を得るきっかけともなった。

試打を重ねるたびに、限られた手札で戦ってきたプレーに
広がりが見え始めた。
それは「コントロール」の精度だけにとどまらず、
技術の幅も大きく広がり、求めたもの以上のものが、
彼の中に溢れ出したのである。打法のレパートリーが増え、
戦術が飛躍的に向上、台上の駆け引きまでをも手中に収めるまでに至った。
「弾き」と引き換えに得たフィーリングは、
彼の向上心とあいまって想像以上に彼を成長させたのだ。
見上げ続けた過去は、とうすでに過ぎ去っていた。
本格的な導入を開始したのが、2014年全日本選手権後の2月。
その後、これまで以上に細かな調整を重ね、失いかけた「弾き」は、
彼の言葉通り以前に増したフィジカルを手に入れることでカバーしつつ、
さらに幅広い戦術要素が加わったことにより、
めまぐるしい進化を遂げた、新生「大島祐哉」の誕生だった。

フォルティウスFTに変更した、初めての大会(海外ツアー韓国オープン)にてベスト8入賞と好成績を収めると、翌月中国オープンでは3位入賞を果たした。その後も、快進撃は続き、2015ITTFワールドツアーにてU21シングルス優勝、ダブルス優勝と世界の壁の向こうを夢見た頃はとうに過ぎ去り、ようやく辿り着いた世界の舞台。

そして今また、卓球日本代表として2回目の世界卓球が間近にせまっている。
苦難の末に、名実共に自ら勝ち得た日本代表だ、そんな立ち止まることの知らない彼と、これからも共に歩いていけることを、誇りと思う。

Another story of Fortius FT

FortiusFTには開発コンセプトを実現するためのミズノ開発チームの様々な検証の成果が詰まっている。その検証内容は多岐に渡り、そこから生みだされた一本は今多くのプレイヤーに支持されている。あとがきにかえて当時のミズノ開発チームの検証内容と支持される理由のごく一部をここに記しておく。

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このラケットの積層の一部には檜が使われている。もちろんいくつかの候補となった木材のひとつひとつを計測、その材料特性値から開発目標のひとつである“安定した弧線”のための「ブレードがボールを掴むような感覚」には檜シートの固有振動特性が最適だと判断した。合板用にスライスされた檜使用のラケットは「しなやかさ」が際立ち、しっとりとした打球感になる。7枚合板ラケットの特徴である「弾きの良さ」にこの檜シートの材料特性をミックスさせることで「弾き」と「安定」の二律背反が可能になると考えたのだ。

次にミズノ開発チームは檜のシートの配置について考察。様々な厚みや木目の檜シートを使い、数十にも及ぶパターンのサンプルを作成し計測と試打による検証を重ねた。そして中芯横の添芯に檜シートを配置するFortiusFTの積層パターンが誕生。このように採用された檜シートはボールインパクト時にしなやかにボールを包み込むような挙動を起こし、ブレード全体にも同様の動きを起こさせる。また、この挙動は木材独特のブレード全体が“鳴る”ような爽快で心地よい打球音にもつながっていることも開発データとして蓄積されている。
「鋭い弾き」と掴むような打球感からくる「安定した弧線」に「爽快な打球音」を併せ持つFortiusFTのブレードはこうして誕生することになる。

同時にミズノ開発チームはプレイヤーとラケットの接点であるグリップにもフォーカスする。ブレードの挙動や重量を考慮しながら最適な設計を模索、何種類ものグリップの形状や組木のパターンを試作した結論がFortiusFTの「横積層」と「表面処理」されたグリップである。「横積層」はラケットの重量・ブレードの挙動とあいまってさらにラケットがしなるような感覚をプラスする。そしてあえて弱めにコーティング加工されたグリップ表面がプレイヤーの手のひらにより繊細なフィーリングを伝達する。このグリップの製法とブレードとのマッチングは、ファインタッチを求めるプレイヤーのニーズに今も高い水準で応え続けている。

ミズノは卓球ラケットの開発・性能解析に、野球バットで培った長年の木材へのノウハウや総合メーカーとしての計測技術などを活かしたアプローチ手法を用いている。人の感性に頼りすぎず様々な性能を数値化していくことが、より早く選手の要求に応えることになると考えるからだ。その手法は結果としてプレイヤーの感性をより大きく満足させるプロダクトへの近道だと信じ、ミズノ開発チームは現在も検証と開発を繰り返している。

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