INTERVIEW原動力インタビュー

4年に一度の舞台とシーズン総合の両方で、頂点をめざす気持ちが原動力

スキージャンプ

葛西 紀明(土屋ホーム)

『もののみかた、考え方を変えると人生が変わる』『逆境こそ天が自分に与えた最大のチャンスである』という2つの言葉が特に心に響き、気持ちが変わりましたね。

スキージャンプ界で世界のトップで30年近く戦い続ける“レジェンド”葛西紀明選手。自身の競技人生は大きな壁が連続してずっと続いていると言います。

「最大の壁は2002年のソルトレイクでした。1998年の長野で悔しい思いをしたので、一生懸命トレーニングを重ね、体も心も鍛えて臨んだ大会だったんです。しかし、結果はノーマルヒル1本目で転倒、ラージヒルでは2本目に進むことすらできなかった。4年間最大限の努力してきたのに結果が出ない現実に、大きな挫折感を味わいました」

4年に一度しかない大舞台で結果を出せなかった葛西選手。選手生命すら阻まんとする大きな壁をどのようにして乗り越えたのでしょう。

「ひと言で言うと、自分自身のもののみかたや考え方を変えたんです。2001年に移籍した所属先の土屋ホームの会長や社長から多くの素晴らしい言葉の薫陶を受けました。その中でも『もののみかた、考え方を変えると人生が変わる』『逆境こそ天が自分に与えた最大のチャンスである』という2つの言葉が特に心に響き、気持ちが変わりましたね」

そうした言葉を胸に、2003年には年下のフィンランドコーチを招聘してトレーニングを一から見直し、自分自身を変えることに取り組みました。

「ソルトレイクでの挫折がなければ、年下のコーチからのアドバイスを素直に受け入れられなかったでしょう。でも自分が変わらなきゃ何も変わらないと考え、従来からやってきたハードトレーニングを捨ててフィンランドスタイルのトレーニングを取り入れました。練習量が少なく、休む時はしっかり休むスタイルに最初は不安だった。しかし休むことで頭がクリアな状態になり、結果的に集中してジャンプに打ち込めた。すると、翌シーズンに多くのメダルを取ることができたんです。この時『考え方を変えれば人生が変わるということは、こういうことなのか』と改めて実感しましたね」

世界トップクラスの地位を築いてきた練習法をあえて捨てるところまで、葛西選手を突き動かした原動力は何だったのでしょう。

「4年に一度の舞台での金メダルとシーズン総合チャンピオンの両方を獲りたいという気持ち、それだけですね。めざす世界一の称号を得るために、どちらも諦められませんから」

#powertoperform