2018.01.05

Interview : ダンスアーティスト/振付師として活躍する TAKAHIRO のルーツに迫る Vol.1

ニューヨークはマンハッタン地区のハーレムにあるマイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、ジェームス・ブラウンなど数多のスターを排出してきたHIP HOP文化の聖地アポロシアターで前人未到の記録を打ち立てた日本人がいることをご存知だろうか。由緒あるこの劇場で1930年代から続く人気イベント“アマチュアナイト”はプロへの登竜門となっており、実力派のシンガーやダンサーが全米から集う。目の肥えた客で埋め尽くされた緊張感のある舞台で偉業を成し遂げたのが、現在、ダンスアーティストや振付師として活躍する「TAKAHIRO」だ。

18歳から独学でダンスをはじめ、23歳で単身渡米。アポロシアターで2005年より“アマチュアナイト”にソロダンサーとして参加し、1年間に及ぶ予選大会を全て優勝で勝ち進みダンス部門1位に輝く。その躍進は止まることなく、2006年にはNBCの全米放送番組“SHOW TIME AT THE APOLLO”に出場し、番組史上初となる9大会連続優勝の後に殿堂入りを果たした。2009年からはマドンナのワールドツアー専属ダンサーに抜擢され、その後は舞台演出、振り付け、ファッションショーやダンスイベントなど活躍の場を広げた。その後、拠点を日本へ移し近年では「欅坂46」の全グループ楽曲の振り付けを担当し、コンサートのステージングまで担っている。また、日本ダンス大会審査委員長、大阪芸術大学 舞台芸術学科 客員准教授、滋慶学園グループ 名誉教育顧問を兼任し、教育の場にも積極的に参加している。兎にも角にも華々しい経歴を持つ「TAKAHIRO」が、ダンスとの出会いや、サクセスストーリーの裏側など、自身のルーツについて語ってくれた。

- ダンスを始めたキッカケとは

学生時代にテレビでブレイクダンス、パントマイム、音楽に合わせて楽しそうに踊っているのを見て、かっこいいなーと思いました。自分はそのダンスを真似して、一回ターンしてみるけど、転んじゃったりして、なんで自分の体なのにこんなに思い通りに動かないのか。憧れと不思議な想いがありました。当時は“RAVE2001”というダンスの番組が深夜の枠でやっており、それを毎週録画し、ひたすら家で真似をしていました。高校生2〜3年の時です。

- 周囲に指導者はいたのか

見よう見まねです。当時は周りに見せるとかの気持ちはなくて、自分の中で’ターンが一周回れた!’とかが楽しかったです。ダンスをする目的や対象はあくまで自分でした。ダンススタジオに行こうなんてビビっちゃって。ひたすら一人で踊っていました。

- ダンスを始める前にスポーツをしていた?

ちびっこマラソンをしていました。選手になろうとかではなかったですが好きでした。

- 完全に独学で習得したダンスで本場アメリカに挑もうと

大学に入学してからはダンスを毎日するようになって、仲間もでき、ダンスイベントにも毎週出ていました。だけど大学を卒業する頃になると皆、それぞれの夢があって。その頃、自分の夢はなんだろうと立ち止まった時期がありました。いろいろ考えた結果、自分のやりたいことはダンスなんだと気付きました。当時はダンサーが職業という考えは世間にも自分にも全くなかったんです。どうしよう、就職活動しなきゃと。だけど、このままただダンスを辞めてしまったら、ダンスに夢中になった4年間を棒に振ってしまうような気がして。ただ諦めてしまうのは一生心の中でモヤモヤが残るなと思い、一度大きな挑戦をして、4年間の自分というものをぶつけてそこでスッキリして次の一歩に進もうと。大会でいい結果を残せたらいいな、でも負けても大きなものにぶち当たり、勇気を出せたから意味がもてるなと。意味を持ちたかった。やってきたことに対して。駄目元じゃないけど、大きいところに自分を潰してもらおうと思ったんです。最強の相手に潰されて、次のステップを踏むんだったら気持ちいなと思って、できるだけ最強のダンスコンテストを探していた時にアポロシアターの大会を見つけたんです。世界で見ても歴史も古く、名誉もあり、当時のダンサーの中でも憧れだよねって話していて。だから渡米しました。自分の中で、そこが世界で最強の場所だと思ったから。

- アポロシアターの大会は応募すれば誰でも出られるのか

年に審査が3回ぐらいあります。オーディションを受けるためには、朝からアポロシアター前に並んで、先着300人が合格した時点で打ち切りになってしまいます。もう帰ってくださいって言われるんです。なので、2分のパフォーマンス用のCDを持ってオーディションのために朝5時から列に並びました。

- 渡米に当たってビザはどれくらいの期間でとったのか

1年以上のビザをとりました。だって優勝したら、1年間かかるトーナメントなので。1回戦〜4回戦まで勝ち進んでいって、5回戦が決勝だったかな、ダンス部門の中で一番になって、優勝しました。そしたら、TV版にも出ちゃいなよ!と言われて出場することになったんです。

Vol.2へと続く

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