2007年 アクセルスーツ

独自のウエア設計手法『ヴァーチャルボディデザイン』を初めて水着に採用。動きやすさを追求しフィット感を向上。

アクセルスーツ
泳ぐ際の動きやすさを追求した『ヴァーチャルボディデザイン』設計

これ以前の競泳用水着は水の抵抗をいかに低減するかが最も重要な要素でした。水着の低抵抗素材については常に進化を遂げ、高いレベルまで開発が進んでいます。ミズノが着目したのは、泳ぐ際の動きやすさです。スケートやゴルフ、陸上など数々のトップアスリートのパフォーマンスを支えてきた独自のウエア設計手法を初めて水着に採用し、選手が自分の理想とするフォームで泳げるように設計しました。

まずトップスイマーの動作を3D CGで再現し、皮膚の伸縮量や方向などのデータを解析します。この結果をもとに皮膚の伸縮をビジュアルで表現、スイミング動作を妨げないカッティング・パターンを作成しました。よく伸びる部位には立体的なカッティングや曲線的な縫製を施し、よく縮む部位には生地が余らないようにするなど泳ぐ際の動きやすさを追求した水着です。

低抵抗撥水プリント素材を採用

新たに開発した素材『マイティライン』には3軸パターン(右図)を使用した撥水プリントを施しています。3方向の水流に対応し(画像参照)、一般の競泳用水着と比較して約7%水との摩擦抵抗を低減しました。

2008年 アクセルスーツ「WATER GENE」

『水との融合による低抵抗』という開発コンセプトから生まれたジェル加工水着。

アクセルスーツ「WATER GENE」
水との融合による低抵抗素材『マーリンコンプ』

『マーリンコンプ』は、従来とは逆の発想の水になじみやすい、3次元網目構造を持つ親水性ポリマーを使ったジェル加工を施した親水素材と、水をはじく3軸撥水プリントを組み合わせています。それぞれの加工表面では水の流れ方が異なるため、撥水プリントに沿ってタテ渦が発生し、このタテ渦が水中での抵抗につながる乱流を抑制し、従来の素材(当社比)と比べ約8%の表面摩擦抵抗削減を実現しました。

発想のヒントは世界最速の魚、カジキ

ギネスブックに世界最速の魚として紹介されているカジキは時速100km以上で泳ぐと言われています。その速さの秘密の一つは、体の表面から水になじみやすい物質を出し、水との摩擦抵抗を軽減していることです。これをヒントにジェル加工を施した親水素材を開発。水中でジェル化することで、摩擦が<生地>とその<表面を流れる水>との関係ではなく、ジェル化した<生地表面の水>とその<表面を流れる水>の水同士の関係となる為、摩擦抵抗が削減されます。

寺川選手等身大マネキン+『ヴァーチャルボディデザイン』

寺川選手をボディスキャンした3Dデータ化から等身大マネキンを製作。従来の『ヴァーチャルボディデザイン』に加え、等身大マネキンの流水実験データから低抵抗素材で、伸縮性の異なる2種類の素材(より平滑性を高めた高密度素材と高ストレッチ素材)を配置することで、更なる動きやすさとフィット感を向上させています。また、素材だけでなくカッティング・パターンでも動きやすさとフィット感を向上させています。

2009年 SST-100シリーズ

ミズノスイムの初めての高速水着。

SST-100シリーズ
水中に下半身が沈みこまない高いボディポジションの維持

下半身が水中に沈むと水の抵抗を受けやすく、タイムロスの原因となります。「SST」は、パネルを貼り付けて腰から下半身を支える“ボディハンモック構造”を採用することで、水の抵抗が少ない高いボディポジションを維持。さらには、腹部、腰のパネルで体幹を意識させ、骨盤を安定させることで、水中姿勢をよりフラットに保ちます。膝に貼り付けたパネルは、膝下の安定をサポートしています。

体形補正による形状抵抗の削減<

ポリウレタンのパネルを貼り付け身体の凹凸を平滑化し、筋肉の振動を防いで、形状抵抗を軽減します。

軽量化

ベースとなる水着の素材には、ストレッチ性に優れた軽量布帛素材を採用しています。全面を撥水加工しており、水中での軽量性も向上しています。

動きやすさと着脱のしやすさ

スリットによってパネルのテンションをコントロール。締め付け感による動きにくさを緩和し、フィット感を向上させています。着脱もしやすくなっています。全面を撥水加工しており、水中での軽量性も向上しています。さらにヒザ下のV字形パネルがキック動作を補助します。

2010年 ミズノRX

国際水泳連盟(FINA)承認競泳用水着。

ミズノRX
高速水着時代に終わりを告げたルール改定

2008、2009年シーズンは、高速水着が誕生し数多くの世界新記録が誕生しました。選手の身体能力と技術を競う競泳の本質から逸脱していること、さらに選手の身体を保護するために国際水泳連盟は2010年シーズンから水着に関する大幅なルール改定を行ないました。

水中でのフラット姿勢の維持をサポート

常に腰を高い位置に保ち、水面に対してフラットな姿勢をとることで、形状抵抗が削減され、速い泳ぎにつながります。しかし、疲れてくると脚や腰の位置が下がるため、フラットな姿勢をとり続けることは難しく、水の抵抗を受けやすくなってしまいます。下半身が下がることで、キックによる推進効率も低くなってしまいます。そこで、フラット姿勢の維持をサポートする新水着の開発に取り組みました。

ハイパワー素材と裏地で腰周りの腹筋等の筋肉を締め付けて、姿勢を維持するのに重要な骨盤を支え、体幹を意識させることで、水中姿勢をよりフラットに保ちます。同時に、体の凸部を押さえて平滑化することでも、形状抵抗削減しています。

2011年 ミズノGX

開発コンセプトは“フラットスイム”。

ミズノGX
伸長率を35%向上させた軽量布帛素材を開発

“フラットスイム”とは、水面に対してフラットな姿勢をとることで、水の抵抗が少なく推進効率の良い泳ぎ方を可能にするというもので、「ミズノ GX」は、そのフラットな姿勢の維持をサポートする水着です。従来より伸長率を35%向上させた軽量布帛素材を開発することで、強いホールド力を維持しながら、動きやすく着脱もしやすくなっています。また、生地全体に撥水加工しており、水中での軽量感もあります。

“フラットスイム”を維持しやすい設計

ウエスト部は高い着圧により姿勢を維持するのに重要な骨盤、腹筋をしっかりとサポートしています。これにより、体幹が安定、腰を高い位置に保つことで、よりフラットな水中姿勢を維持しやすくします。太ももと足の付け根は、動きやすさを確保した適度な着圧に設計しています。

肩紐には、肌あたりがやさしいシリコーン加工を施した専用パーツを使用しています。これにより擦れや突っ張り感が少なくなっています。

2012年 ミズノGX-DYNA

フラット姿勢を維持し理想的なストリームラインを作る。

ミズノGX-DYNA
選手の声から生まれた、着用感の異なる3タイプ

「ミズノ GX」は外国人に比べパワーの劣る日本人にはキツすぎるといった選手の意見から3種類の素材の使い分けにより着用感の異なる3タイプを開発しました。泳ぎの動作を分析し、スイマーの動きをサポートする設計を取り入れた「GX-DYNA」「GX-MOTION」と、着やすさと全身の動きやすさを重視した「GX-FITS」です。寺川選手が着用した「GX-DYNA」は、ホールド力の強い素材を背面部、太ももに配置しています。全体的に強いホールド感で骨盤、腹筋をしっかりサポートします。体幹が安定し、腰を高い位置に保つことでキックが打ちやすい設計です。「GX」と比べ、抵抗を約4%削減しています。

フラット姿勢を維持し理想的なストリームラインを作る

素材は軽量布帛素材です。布帛素材によるホールド力で、姿勢の維持に重要な骨盤・腹筋をサポートすることで、腹圧が入れやすくなり体幹が安定します。これにより、腰を高い位置に保ち、水面に対してフラットな姿勢をとることで、水の抵抗が少ない推進効率の良い泳ぎにつながります。また、素材のホールド力で、体の凸部を押さえ、水中での形状抵抗を削減します。

超音波接着により高いフィット感を追求

糸を使わない超音波接着によりシーム部分の凹凸が減り、体により密着するため、フィット感が向上しています。

2013年 ミズノGX・SONIC

フラット姿勢維持のさらなる向上。

ミズノ GX・SONIC
ゴールまで、水の抵抗が少ないフラット姿勢をキープ

腰を高い位置に保ち、水面に対してフラットな姿勢をとることが、水の抵抗が少ない推進効率の良い泳ぎにつながります。「ミズノ GX・SONIC」は、布帛素材によるホールド力で、姿勢の維持に重要な骨盤・腹筋をサポートしています。また、体の凸部を押さえ、水中での形状抵抗を削減します。一般的に、太ももの筋肉は前面に比べて後ろ面の筋肉(ハムストリングス)が細く、筋力が弱い傾向があります。そこで、ハムストリングスをサポートするように生地配分とカッティングを工夫することで、アップキックをサポートし、脚(下半身)の沈みを抑制します。疲れの出るレース後半でも、脚や腰が落ちにくく、フラットな姿勢をゴールまでキープすることが出来ます。

フィット感と着やすさを向上

また、縫い糸を使わない超音波接着によりシーム部分の凹凸が減ることで、水の抵抗が少なくなると同時に、体へのフィット感も向上しています。脇下にシームを設けないことで、体長方向に伸ばしやすく、肩が動かしやすい設計です。肩にかかる圧力は、「GX-DYNA」と比較して、約30%軽減しています。

しなやかな風合いの布帛素材を開発

太さや加工方法など糸の設計から見直し、さらには、密度調整を行うことで、フラットな姿勢の維持に必要な強いホールド力をキープしながらも、しなやかな風合いの新しい布帛素材を開発しました。また、生地全体に撥水加工を施すことで水を含んで重くなることを防ぎ、水中での軽量感があります。