やってみよう、メンタルトレーニング! ~親がコーチである場合の子供との関係性~

今回は、お母さんからのお悩みです。
同じような悩みを抱えていらっしゃるお母さん、多いのではないでしょうか?
藤代コーチ、アドバイスをよろしくお願いします。

Q. 小6の娘は1年生からバスケをしています。そして、コーチは主人がしています。娘はコーチに注意や叱られることに対して素直に聞けないようです。顔つきや態度に反抗的な雰囲気が出て、さらにコーチに叱られ練習の雰囲気まで悪くなる感じです。今年は、秋に県大会で優勝し全国大会出場を目標にしてがんばっています。目標達成に向け、親でありコーチとして主人が心がけることや、わたし自身わが子を、主人を、どうサポートしていけばよいのか教えてください。~MIKOさんより~

A. 「正しいことでも親から言われると素直に受け取りにくい」というのは親子ではよくあるかもしれません。もっとも近しい関係だからこそ、素直に受け取れず、さらに、思春期になると、自分の考えや思いといった自我が芽生えてくることも少からず影響があるかもしれません。

子どもたちは自分のことで精一杯。嫌なことは嫌だと言いますし、表情や態度に出てしまいます。けれど、それは素直な子どもであるともいえます。

もし反対に、まわりの目を気にし、嫌なことを嫌といえず、表情を取り繕い、大人が望むことを先回りして、考え過ぎてしまう。自分の中で「本当は嫌なのに」と自分の思いに蓋をしてしまっているとしたら、ストレスを抱え、大好きだったバスケットボールもやりたくなくなってしまうかもしれません。

「次の大会が終わった時に、どうなっていたら最高?」

まずは、お子さんが「どうなりたいのか?」を改めて知る機会を作りましょう。
どんな自分になりたいのか。どんな体験をして、どんなことを感じて、どんな結果を得たいのか。ノートを用意して、答えをたくさん書き込んでみましょう。

ゴルフの世界的有名選手は「目標はいつも自分の中から生まれてくるべきなんだ」といっています。誰かが作った目標では、あまり主体的な行動は生まれにくいものです。

最も良くないのは、彼女が望んでいる未来と僕ら大人が望んでいる未来に大きなギャップがあることです。僕ら大人は「全国大会に出場してほしい」と望んでいるけれど、彼女は「楽しければいい」と思っている。そうした場合、無理やり「1年生からやってきたんだから!」と強引に目標を与えてしまってはやる気を失ってしまいます。

過去に関わった選手で、小学生時代に日本を代表するサッカー選手だった子がいました。けれど、中学生になり自我が芽生え「友達と楽しくサッカーができればいい」という彼の思いと、「せっかく日本を代表する選手になれたんだから、上を目指してほしい」というご両親の思いが交錯し、親子で言い合いをする日々が続いたそうです。その結果、彼はサッカーから離れてしまいました。

まずは、彼女に「どんな未来を実現したいのか?」という未来のイメージに耳を傾けましょう。
その後、「全国大会に出たい!」という目標を彼女の口から聞けたら、「どうすれば全国大会に出れるかな?」と問いかけてみましょう。

「どのようにすれば?(HOW)」と問いかけることによって、アイデアを引き出すことができます。
「もっと、集中して練習に取り組みたい」
「身体を大きくするために、栄養に気をつけたい!」
「お風呂の後はストレッチをしようと思う」

目標と同じように、僕ら大人が「これをしなさい」と指示や命令をするよりも、自分の中から生まれてきた考えは、やる気につながりますし、行動も続きやすくなります。
「次の大会でどんな結果だったら最高?」
「どうすれば、その未来を叶えられると思う?」
最高の未来をイメージし、実現するためのアイデアを引き出す。
そして、そのアイデアを行動に移すことで、理想の未来に近づいていくことができます。

また、「どんな応援をしてほしい?」と問いかけることで、彼女が必要としているサポート方法に耳を傾けましょう。
「美味しいご飯を作ってほしい」
「あなたならできるよ!って言ってほしい」
「送り迎えをしてほしい」
など、子どもたちが必要としている応援を教えてくれます。なかには「そっとしておいてほしい」という子もいます。ですので、彼女が必要としている方法で接することを心がけましょう。

ご主人には質問を交えながら、ご主人の考えや思いに耳を傾けることをおすすめします。

ご主人に対し、
「大会が終わった時にどうなっていたら最高だと思う?」
「子どもたちはどんな未来を目指してるの?」
「どうすれば良いと思う?」
「コーチと父親でやることの違いは何だと思う?」
「家でしないと決めたいことは何かある?」
そして、「私にサポートできることは何がある?」と問いかけることで、頭の中を整理すると同時に、ご主人へのサポート方法も見つかるはずです。

◎ポイント
・目標はいつも自分の中から生まれてくるもの
・子どもの目指す未来に耳を傾ける
・「どのようにすれば?(HOW)」で未来を実現するアイデアを引き出す
・必要としているサポートをする

回答 メンタルコーチ 藤代圭一氏


みなさんから藤代メンタルコーチに聞いてみたいことはありませんか?指導者の方でも選手でも親御さんでも結構です。「○○なときはどうすればいい?」など質問をお待ちしてます。

前回の記事
http://www.mizuno.jp/contents/zone/column/2016/0420.aspx
Q. どうすれば自分をコントロールできる?

~藤代圭一氏プロフィール~

スポーツメンタルコーチ/しつもんメンタルトレーニング代表

http://shimt.jp

日本メンタルヘルス協会基礎心理カウンセラー

全国のクラブチーム、部活動に伺い、1人でも多くの選手がその人らしく輝くために、心理面・チームづくりをサポート。
・全日本女子フットサル選手権 準優勝
・U-15 全国女子サッカー大会 全国ベスト4
・U-15 全国女子フットサル大会 全国優勝(2連覇)
・全国高等学校総合大会出場(インターハイ/サッカー)
・U-15 野球イギリス代表選手